2018/09/20
[タイ] マス・トランジット(電車路線網)の延長がコンド・ラッシュに拍車をかける
タイ証券取引所に上場するデベロッパー、スパライ社は、マス・トランジットの延長線上にあるコンドへの人気が高まっているといいます。その理由は、市内中心部のコンドの価格が高すぎる一方で、マス・トランジット延長線上はまだ価格が比較的手ごろだからです。
マネージングダイレクター、トリテチャー・タンマティタム氏は、市内中心部のエリア、特に中心業務地区(CBD)はリスクが高いと言います。というもの、新築物件が多数建設されており、平米あたりの価格もかなり高くなっています。
「中所得者では、もう市内中心部の新築コンドを買うことができないのです。」とトリテチャー氏は言います。「外国人バイヤーも、市内周辺地域のマス・トランジット路線が延長されるエリアにあるコンドに目をつけています。というのも、市内に比べて価格が安いからです。」
2018年前半期のコンド市場は高い需要に支えられ堅調でしたが、新規立ち上げプロジェクト数は過去数年よりも少ないものでした。
200万バーツ以下のユニットを買い求めるバイヤーの主な問題は、高い家計の負債です。前半期で、銀行の住宅ローン却下率は20%と高いのに対し、ハイエンドセグメントだけだと4%にとどまりました。
2018年前半期、スパライはプレセールで180億バーツ(約624億円)を上げており、年末までのプレセール目標は330億バーツ(約1,145億円)、260バーツ(約902億円)を収益寄与分としたいとしています。
トリテチャー氏は、スパライ社は、現在のプレセール目標が達成できそうなので、サトーン通りに建設予定のハイエンドプロジェクト、スパライ・アイコンの販売開始を今年の第4四半期から延期し、来年にオープンすると話しています。
スパライ社は、ハイエンドプロジェクトに代わって、ユニット数200~300の低層コンドプロジェクトをマス・トランジット路線が延長されるエリア周辺に建設予定です。同社は9月11日(火)に、60億バーツ(約208億円)相当のスパライ・ベランダ・ラムカムヘンをオンライン予約で発売開始予定です。3棟から成る合計2,073の物件で、平米あたりの平均単価は76,000バーツ(約26万3,600円)で、ユニットあたり189万バーツ(約656万円)からとなっています。
このプロジェクトは、オレンジラインの駅の近くのラムカムヘン通りにある15ライ(24,000㎡)の敷地に建設予定です。用地の取得に10億バーツ(約35億円)要しており、平米ワーあたりの地価は160,000~170,000バーツ(約55万5,000円~58万9,900円)となっています。
(出所:Bangkok Mass Transit System Public Company Limited)
スパライ社は、同敷地内に2億バーツ(約6億9,400万円)でコミュニティーモールも建設予定です。
スパライ社の市場リサーチによると、ラムカムヘンエリアの新築コンド数は、2013年から2018年までで5,600ユニットほどに上ります。このうち、4,400ユニット、つまり78%が売却済みとなっています。
このエリアの新築コンドの平米あたりの単価は2013年の74,000バーツ(約25万6,600円)から今年、88,000バーツ(約30万5,200円)まで上がりました。
タイ文化センターとミンブリー間のオレンジランの工事が始まり、ラムカムヘンは最も魅力的なエリアの一つとなっている、と不動産コンサルティング会社のコリヤーズ・インターナショナル・タイランドは述べています。
ザ・モール・ラムカムヘン2の建つ30ライ(48,000㎡)の土地が刷新され、複合用途のコンプレックスに生まれ変わり、今後数年以内に完成予定なのを受け、このエリアはますます面白くなりそうです。
過去10年間で、ラムカムヘンエリアで販売されたコンドは14,907ユニット、一方で2018年後半期で販売開始される新築コンドは4,273ユニットもあります。
9月10日(月曜日)、タイ証券取引所におけるスパライ株式の終値は、23.90バーツ(約82.9円)と20サタン(約0.69円)下げ、時価総額は4,124万バーツ(約1億4,300万円)となっています。
(出所:Bangkok Post)
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