2018/11/05
[タイ] EECへの関心からパタヤのホテルがにぎわう
タイ政府が力を入れている東部経済回廊(Eastern Economic Corridor(EEC))がパタヤおよび近隣エリアのホテル業と観光業に役立っています。というのもEECが、工業地域とリゾートの複合開発をイースタンシーボード全体に急ごうとしているからです。
(出所:Royal Thai Embassy)
EECは、ラヨーン県、チョンブリー県、チェチュンサオ県にまたがり、30,000ライ(4,800ヘクタール)の広さがあります。
チョンブリー県には、合計81,607室、1,046の宿泊施設があります。これらの宿泊物件には、宿泊施設として登録されたもの、未登録のものがあります。
さらに多くのホテルの開発が進行中、2024年にかけてオープン予定だと、ホスピタリティ&不動産コンサルティング会社C9ホテルワークスのマネージング・ディレクター、ビル・バーネット氏は語ります。
少なくとも11物件、2,645室が、今後5年間で「大パタヤ圏*」市場に投入されるとみられています。これらには、シタディーン・ジョムティエンビーチ、アマリ・パタヤ・オーシャン・スイート、グランド・センターポイント、フォーポインツ・バイ・シェラトン、シタディーン・ノース・パタヤ、オゾ・パタヤ、ホリデイイン・エクスプレス、Uホテル、コージーホテル・バイ・センタラ・ナクルア、サマセットなどがあります。
*大パタヤ圏(Greater Pattaya)は、バーンラムン(チョンブリー県11郡のうちのひとつ)の海岸沿いをほとんど占めています。大きく北部と南部に分けられ、北部は大きく、ナクルア・ビーチ(最北のビーチ)東部 と、パタヤビーチ(メインビーチ)およびパタヤビーチすぐ南のプラタムナックヒル(丘の上にある寺院から、「ブッダの丘」とも呼ばれる)の岬に広がるエリアと、南部は北部より小さく、ジョムティエンビーチ(プラタムナックヒルのすぐ南)東部にひろがっています。
この新規供給分は、短・中期的には吸収が追い付かず、EECの開発がより顕著になってくるまでは、経済および中間価格帯で室料問題を起こす可能性があります。
チョンブリー県では昨年1,600万人超のホテル宿泊客を迎え、大パタヤ圏がより大きな観光プラットフォームとして進んでいくことに間違いはないだろう、とバーネット氏は言います。
「パタヤのホテルの業績は、EECの影響が市場心理にポジティブに働くにつれ、反発を見せるでしょう。」
加えて、タイ国内からの強い需要もまた、チョンブリー県の宿泊施設を利用するホテル客の38%を占めています。
ドゥシット・タニ・パタヤのジェネラルマネジャー、ネオ・キーン・ムーン氏はパタヤのホテル・観光業は今年著しく成長を見せたと言います。
彼はまた、現行のバンコク以外の主要な県や税金の還付に焦点を当てた観光の取り組みは、大パタヤ圏およびその他のインフラが整った県にビジネスを創出しているとも付け加えました。
「ドゥシット・タニ・パタヤでは、10月、11月と多くの予約を受けています。12月についてはまだ数値が固まっていません。」とムーン氏は言いました。
大パタヤ圏で観光業を営むオペレータは、政府の取り組みの甲斐あって、一人旅の旅行者、若い家族連れ、インセンティブグループなど、よりミックスされた市場を迎えています。
大パタヤ圏ブーム
C9ホテルワークスのデータによると、ウタパオ空港の拡張によって、パタヤの需要の刺激剤になっており、直近三年間の空港利用者数は、年間平均成長率(CAGR)79%で増加しています。
地域の重要なインフラ投資の一つに、タイ政府により最終決定されようとしている、ウタパオ空港とバンコクの二つの空港(スワンナプーム空港とドンムアン空港)とを結ぶ高速鉄道計画があります。これは、イースタンシーボードエリアのゲームチェンジャーになること間違いありません。
(出所:Ministry of Industry)
ウタパオ空港への新規就航便も過去3年で劇的に増加、飛行機の到着数も大きく増え、年間平均成長率59%となっています。
2018年央までで、市場全体の稼働率は77.9%を記録、成長のほとんどは、大パタヤ圏に集中しています。
(出所:Bangkok Post)
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