2021/07/01
物件を購入するときの最も重要なプロセスの一つが、前の所有者から購入者へと土地の権利譲渡を完了させることです。
この法的なプロセスを踏むことによって、購入者が、その物件の新しい所有者としての公的な記録が残ることになります。
土地の権利を新しく自分の名義にすることで、購入者は、投資物件を保護し、将来起こるかもしれない所有権にかかる問題を避けることができるのです。
OMIランド・タイトル・サービシーズ社のジェネラルマネージャー、ハーディー・リパナ氏によると、購入者は、売買証書(Deed of Sale)が締結されたらすぐに、権利の譲渡プロセスを開始するのが良いようです。
「売買証書が締結され、公証を受けたら、移転税(transfer tax)の支払期限が設定されます。移転税の支払いに遅れると、それ相応の罰金や利息が発生します。」
まずは、準備するものから見ていきましょう。
該当する場合は、以下も追加で必要となります。
必要書類が揃ったら、次のステップに移ります。
1.内国歳入庁(BIR)にて
必要書類をBIRの係員に提出しましょう。
キャピタルゲイン税(Capital Gains Tax)と印紙税(Documentary Stamp Tax)を計算してくれます。
提出した書類をもとに、計算が終わったら、キャピタルゲイン税についてはBIR様式1706号、印紙税についてはBIR様式2000号をそれぞれ3部ずつ、BIRの係員から署名するように求められます。
BIR様式1706号と2000号の両方に記入が済んだら、BIRの係員からすべて書類を返却され、認可代理銀行(aurhotized agent bank(AAB))にてキャピタルゲイン税と印紙税の支払いをするように求められます。
2.認可代理銀行(AAB)にて
AABでは、係員にキャピタルゲイン税と印紙税でそれぞれ別のAAB支払票を記入するように求められます。
両方とも帳票に記入が終わったら、AABに提出してキャピタルゲイン税と印紙税の支払をします。
AABのキャピタルゲイン税と印紙税の支払票の控えを必ず受け取りましょう。
ちゃんとAABの受領印が押されていることも確認してください。
3.再びBIRにて
もう一度BIRに出向いて、AABの支払票2枚の原本も含めて、すべての書類を戻します。
BIRの係員が、登録承認証書(Certificate Authorizing Registration(CAR))の受取日を記載した、引換券を渡してくれます。
CARは、所有権登記と新しい所有者のTCTまたはCCTの謄本の発行のために、登記官から求められるものです。
BIR覚書令(Memorandum Order)No.15-03にも記載があるように、BIR所轄税務署(Revenue District Office)はすべてのワンタイム取引(One Time Transaction(ONETT))について、必要書類をすべて提出されたら5日以内にCARを発行することになっています。
CARの発行日には、CAR以外に以下のような書類も受け取ります。
4.所轄の財務官の事務所にて
税金清算書(Tax Clearance)の写しをもらうために移転料(Transfer Fee)を支払います。
以下の書類を提示して、その発行のための手数料を支払うと受け取ることができます。
5.登記所にて
自分名義のTCTまたはCCTの所有者謄本を受け取るためには、次の書類を提出する必要があります。
必要な登記料(Registration Fee)を支払います。
支払が完了し、必要書類を提出すると、TCTまたはCCTの新しい所有者控えが5日間以内に発行されます。
6.所轄の課税審査官の事務所にて
自分の名義の税務申告書(Tax Declaration)が発行されるためには、以下の書類が必要になります。
所轄の課税審査官の事務所の業務量にもよりますが、届けを出した当日または翌稼働日には税務申告書を受け取ることができます。
さいごに
これらの手続きを踏むのには今期が必要です。
リパナ氏によると、手続きを始めてからすべてのプロセスが完了するのには2.5~4か月ほど要し、BIRや登記所で手続きをしている購入者がどのくらいいるかにも左右されるようです。
「ドゥテルテ政権では、取引のプロセスを円滑に進めるべく、政府機関で求められる事務手続きや書類の整流化するという政策を掲げていますので、この期間も短縮されてくるでしょう。」
手続きが面倒なことは間違いありませんが、もう少し我慢できる状態にする方法があります。
始める前に、すべての準備を整えておくことです。
「行ったり来たりすることがないように、書類に記入をする前に、チェックリストで確認して書類がすべて揃っていることを確認しましょう。また、移転税は期日通りに支払って、罰金が発生したり、書類の処理が遅れたりしないようにしましょう。」
念のために、必要数より少し多めにコピーを用意しておくのも良いでしょう。
手間を最小限に抑えるために、署名用にいくつかペンを持参し、支払の計算が正しいかどうかをチェックしたい場合は計算機も持っていくといいでしょう。
リパナ氏は、正しい税金を支払っていることを確認するためにBIRで正式な査定をしてもらうこと、適切な場所で支払をおこなうことの重要性を指摘します。
購入した物件がある地域の管轄権を持つ政府機関の出張所に行かなくてはなりません。
BIRには、フィリピン各地に歳入所轄税務署(RDO)があります。RDOが一つ以上存在する市もあります。
さらに、課税審査官の事務所は、市役所の中などにある場合が多いです。
免責事項:本記事は執筆時に正確だと思われる情報に基づいて作成されていますが、実際の取引にあたっては、専門家にご相談ください。
(出所:MyProperty.ph)
(画像:Photo by Scott Graham on Unsplash )
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