[ベトナム] 透明性が外国投資を呼び込むカギ

ベトナム不動産市場が世界からさらに投資を集めるには、ベトナム政府と投資家間の透明性と互換性がカギとなりそうだとVietnam Investment Review紙が報じています。

[ベトナム] 透明性が外国投資を呼び込むカギ


ベトナム不動産市場が世界からさらに投資を集めるには、ベトナム政府と投資家間の透明性と互換性がカギとなりそうだとVietnam Investment Review紙が報じています。


ダイ・フック・ランド社CEOのグエン・ティー・タイン・フオン氏は、外国人投資家は、特に長期的な目線で、ベトナム不動産市場を高く評価していると言います。しかし、国内外での互換性、つまり法的な枠組み、コーポレートガバナンス、デベロッパーが検討している商品タイプなどのギャップを埋めていくことが重要だとしています。


これまで、ベトナムの法制度は複雑に絡み合い、不確実性にあふれていました。例えば、コンドテル、観光不動産の取り扱い、エンターテイメント・レジャー施設にしてもそうです。さらに、外国人投資家は、デベロッパー管理能力や、投資しようとするプロジェクトタイプにも関心を寄せます。


「ベトナムのデベロッパーは、外国人投資家と同じ目線に立てるように、マインドセットを改め、国際的なスタンダードを目指していかなければなりません。そうすれば、外国人投資家との協力が成立します。」とフオン氏は言います。


ダイ・フック・ランドは、現在ヴァン・フック・シティという大規模プロジェクトを建設中です。同デベロッパーは、韓国のデミョン・グループと契約を締結、ヴァン・フック・シティの一部として、3億ドル相当のオーシャン・ワールドの共同開発を行います。「この契約を履行するためには、外国のパートナーの要求に応えられるように自分たちをアップグレードする必要があります。」とフオン氏はコメントしています。


一方、ベトナムにおける韓国商工会議所の副会長ホン・スン氏は、協力したくても、ベトナムのパートナーの情報にアクセスするのが困難だと感じている韓国人投資家が多いと話しています。


「ベトナム企業は、ビジネスステータス、強みや弱みを明確にして、外国人投資家が正しい判断をできるようにすべきです」とスン氏は指摘します。


透明性の欠如により、今まで多くの取引が流れてきました。たとえば、ホーチミンシティを拠点とするホン・ファット・リアルエステート社とチャイナ・ポリシー社によるジョイントベンチャーで、ロンアン省の500ヘクタールの土地に、1.4億ドル相当の競馬場付きコンプレックスを開発するプロジェクトは、12年以上も対立が続き、裁判になりました。


チャイナ・ポリシー社は、このプロジェクトのために、1,560万ドルをすでに投じていましたが、立ち退き補償金のための費用がかさんだため、ホン・ファット・リアルエステートが追加の2,000万ドルを要求したところ、チャイナ・ポリシー側はこれを拒否しました。現在裁判中で、ジョイントベンチャーは破産寸前です。


また、納税にかかる規則が不明確で、41億ドルの観光コンプレックスプロジェクト、サイゴン・アトランティスも止まってしまっています。こちらは、USウィンベスト・インベストメント社によるもので、すでに10年以上も引きずる形になっています。


2007年、ウィンベスト社は、980億ベトナムドン(約450万USドル)の土地賃借料を、307ヘクタールの土地のうち87ヘクタールの土地の障害物除去と補償のために、バリア・ブンタウ省に送金しました。しかし、この土地がウィンベスト社に渡ったのは2012年ででした。


土地収用と非自発的移転などを定める政令No.69/2009/ND-CPに従って、投資家は、土地を割り当てられた際に土地賃借料支払わなければいけません。しかし、2012年に土地の割り当てがされたときの賃借料は、2007年の5倍に膨れ上がっていました。ウィンベスト社は2007年の賃借料の支払を要求しましたが、地元当局により拒否されました。当局はプロジェクトの撤回を決定、今後の開発のために他の投資家を募っています。


新型コロナウィルスの影響を大きく受けて、ベトナムの不動産開発は減速していますが、海外投資家からの関心は依然として高いままです。


香港を拠点とする独立系投資会社で、ベトナムのハイエンドレジデンシャルプロジェクトなどに投資する、EXSキャピタルの会長兼CEOエリック・ソルバーグ氏によると、パンデミックは不動産市場に大打撃を与えましたが、セクターによってはすべてがネガティブではないようです。


ソルバーグ氏は、「パンデミックにもかかわらず増加傾向にあるセグメントは、物流、工業不動産、そしてデータセンターだ」と話しています。


ソルバーグ氏はまた、EXSキャピタルは、地元のパートナーと協力して、次の時代のベトナムのデジタルエコノミーを作るための土地とパワーを持った場所を探しているところだと話しています。Eコマース、ビデオ会議、ストリーミングサービスなどが急増する中、クラウドが一層重要となっており、データセンターは将来有望な投資先だと考えているのです。


ソルバーグ氏はまた、「勇敢で賢い投資家にとって、このような状況は、強力で有名な地元のパートナーと組んで投資をするにはもってこいの時だ」とコメントしています。


ヴィナ・キャピタル社の共同設立者でありCEOのドン・ラム氏は、ベトナムの不動産開発プロジェクトの中には困難な課題に直面しているものもありますが、ヴィナ・キャピタルとしては、多くの他のプロジェクトはすぐに続行されるべきだと話しています。


ラム氏は、Covid-19の流行以前は、中所得層の累積需要が、新規プロジェクトの不足と相まって、新規発売となるユニットには複数の申込が入っていたとのことで、より多くのユニットが建設され発売される必要があるという明確な信号だと考えています。


ヴィナ・キャピタル社は、ベトナムで事業を拡大したり、事業を開始したりする製造業者が増えて、すでに起きていた投資の波に拍車がかかることを期待しています。「ベトナムは、オポチュニティを見極め、落とし穴を避ける目を持った投資家にとって、今後も大きなオポチュニティを提供し続けるでしょう。」とラム氏は語っています。


(出所:Vietnam Investment Review

(トップ画像:Tobias Dahlberg from Pixabay )