[アジア] 超富裕層人口今後5年で増加

2023/07/11


英不動産大手のナイト・フランクによる最新の年次ウェルス・レポートによると、アジアでは2027年までに約21万人の超富裕層(UHNWI)が誕生し、2022年から39.8%増加します。



UHNWIとは、純資産が3,000万米ドル以上の個人を指します。



中国本土では、2022年の約88,000人から2027年には約132,000人と50%以上増加する予測です。



一方、日本は経済規模で世界第3位ですが、2022年の22,259人から2027年には21,859人と1.8%減少が予想されており、先進7カ国の中で唯一減少する見込みです。



ナイト・フランクの関係者は、日本の人口減少がこの減少の主な要因のひとつであるとしています。



国立社会保障・人口問題研究所によると、日本の人口は2022年の1億2500万人から2027年には1億2200万人へと2.3%減少すると予測されています。



▼人口の推移予想(出所:国立社会保障・人口問題研究所



富の減少にもかかわらず、日本は超富裕層(UHNWI)の数で中国本土に次いでアジア第2位を維持しそうです。



世界全体では、2022年のUHNWIの数は前年から3.8%減少しました。これらの富裕層の多くは、ロシアを巻き込んだウクライナ紛争や、金利引き上げを招いたインフレ率の急上昇など、世界経済に対する数々の「ショック」の結果、資産が減少しました。



しかし、ナイト・フランク社のレポートによると、金利のピークが近づいていると考えているため投資家心理も先行きが明るいとして、世界の不動産市場について楽観的な見方を示しており、世界のUHNWI人口は2027年には28.5%増の約74万5000人になると予想しています。



こうした超富裕層の数が最も多いのは、引き続き米国で、2027年には24.6%増の約25万3,000人になると予想されています。



さらに調査によると、カナダ、英国、ドイツを含む他のG7諸国の大半は、2027年までの5年間に超富裕層の数が2桁の割合で増加すると予測されています。




(出所:New Straits Times

(画像:UnsplashのAlexander Greyが撮影した写真)