[マレーシア/シンガポール] ジョホール・バル - シンガポールのRTSリンク、現在の状況は?

2024/01/24


2024年1月11日、シンガポール陸上交通庁(LTA)は、マレーシアのジョホール・バルとシンガポールを結ぶ高速交通システム(RTS)リンクの進捗について最新情報をリリースしました。



RTSリンクは、シンガポールの終着駅であるウッドランズ・ノース駅とマレーシアの終着駅であるジョホール・バルのブキット・チャガール駅を結ぶ4キロメートルの鉄道シャトルサービスで、ピーク時には片道1時間あたり最大10,000人の乗客が利用できることになっています。乗客はRTSリンクでシンガポールとジョホールバルの間を高速かつシームレスに移動することができ、両駅間の所要時間は約5分です。



シンガポールとマレーシアの税関・出入国管理・検疫(CIQ)施設は、ウッドランズ・ノース駅とブキ・チャガー駅に併設されます。したがって、乗客は出発地で入国審査を受けるのみとなります。RTSリンクが2026年末に旅客サービスを開始すれば、シンガポールとジョホールバル間の接続が大幅に改善され、コーズウェイの混雑緩和にもつながります。



CIQ施設の建物、トンネル、高架橋の建設工事は2021年に始まりました。LTAによると、シンガポールでの工事は順調に進んでおり、現在までに土木インフラ工事全体の約3分の2が完了しているということです。



2023年3月、シンガポールは、マレーシアに最も近いシンガポール側の橋脚である48番橋脚の杭キャップのコンクリート打設を完了しました。これにより、ジョホール海峡を横断する鉄道高架橋構造を支えるために建設される橋脚の基礎となる、12本の杭キャップのうちの2本目が完成したことになります。



連結スパンの完成


2024年1月11日、シンガポールのリー・シェンロン首相とマレーシアのアンワル・イブラヒム首相がジョホール海峡で会談し、連結スパンの完成を記念しました。



長さ17.1メートルの連結スパンは、マレーシアの47番橋脚とシンガポールの48番橋脚にまたがる鉄筋コンクリート構造で、RTSリンク海上高架橋を両側からつなぐものです。重さ約340トンの連結スパンは、海抜26メートル以上の場所に鋼鉄製の支持構造を使って建設されました。




工事の進捗状況


シンガポール側のRTSリンク海陸高架橋(全長730メートル)を支える橋脚の基礎となる杭キャップ12本がすべて完成しました。 橋脚の建設と高架橋セグメントの立ち上げは現在進行中です。



高架橋は地下トンネルを通り、最大深度28メートルに建設中のRTSリンク・ウッドランズ・ノース駅に接続します。CIQビルは3階建てで、地下2階があります。 地下3階の連絡通路がCIQビルと駅を結びます。連絡通路の工事は完了し、残りの工事も順調に進んでいるとLTAは報告しています。



RTSリンク・ウッドランズ・ノース駅とCIQビルの総床面積は、一般的なMRT駅の約10倍です。これらは、地下コンコースを介してMRTトムソン・イーストコースト(TEL)線のウッドランズ・ノース駅とシームレスに接続されます。CIQビルは、建築建設庁(BCA)のグリーンマーク・プラチナ認証に基づき設計されており、LED照明、ソーラーパネル、ハイブリッド冷却システムなど、設計と運営に省エネ設備が取り入れられています。



土木インフラ工事が完了した後、RTSオペレーションズ社に引き渡され、RTSリンク鉄道システムの設置工事が行われます。RTSオペレーションズ社は、プラサラナ・マレーシア社とSMRTコーポレーションの合弁会社で、RTSリンク・サービスの運営を担当します。




(出所:LTA

(画像:UnsplashのAfifi Zulkifleが撮影した写真)