[ベトナム] ベトナムの主要モビリティ指標、1月急上昇

2022/02/24


世界銀行によると、ベトナムのすべての主要モビリティ指標は、2022年1月、旧正月テトを前に急上昇しました。ワクチン接種率は人口の73%を超えました。



世界銀行の2月度の「ベトナム・マクロ・モニタリング」によると、工業生産はややペースを落としながらも成長を続け、リテール販売は2021年4月後半にアウトブレイクが始まって以来初めて、前年同月比でプラスを記録しました。



1月のリテール販売は、前月比で6.7%、前年同期比で1.3%増加しました。



この回復を支えたのは、強まる消費者需要でした。テトを控えて、各家庭の商品需要が伸びました。リテール販売の80%を占める商品販売は、前月比で7.0%、前年同月比で4.3%増加しました。一方で、サービス販売は、前月比で5.2%、前年同月比では-2.2%でした。



貿易取引は14億ドルの黒字となりましたが、増加率は減速しました。輸出取引の増加率は、2022年1月は8.1%でしたが、前月は25.1%でした。輸入取引は堅調で、前年同月比11.3%でした。



輸出の減速は、電話機の輸出激減(前年同月比26.1%減)、およびコンピュータ、電子部品、機械製品を中心とする、その他主要輸出品目の激減です。



一方で、繊維および衣料品の輸出は堅調で、2021年12月の、前年同月比27.7%から34.4%に上昇しました。米国の力強い需要が主な背景です。



貿易相手別に見ると、米国向けの輸出は引き続き好調で、前年同月比19.4%拡大しました。一方で、中国向けは15.2%減少しており、電話機およびコンピュータの輸出不足を反映しました。



外国直接投資(FDI)は、確約ベースで21億USドル(前年同月比4.2%増)でした。電子部品業を中心とした、既存の事業の拡大に伴う大型投資と、積極的なM&A活動にけん引されました。特にM&Aは、取引額が前年同月比で倍となり、4億ドルを超えました(FDIの20%)。



FDIの60%近くを占めたのは製造業、続いて不動産(22.5%)でした。承認済みのFDIプロジェクトの支出額も2021年第3四半期のスランプから回復して、1月は前年同月比6.8%増となりました。



消費者物価指数(CPI)は前年同月比で1.9%増加し、2021年末の数値と同じレベルでした。



貸付残高も、テトの祝日を前に借り入れ需要に対応しようと加速しました。



世界銀行によると、新しい2022~23年の経済回復支援プログラム(Economic Recovery Support Programme)のもとで計画された財政措置の予算額は、見直し後のGDPの4.5%と見積もられています。付加価値税(VAT)の税率も、ほとんどの業種で10%から8%に切り下げられました。



世界銀行の専門家たちは、パンデミックの影響を受けた労働者や世帯を支援すべく、社会保障の措置をさらに加えて、このプログラムの強化を図るべきだと述べています。また、プログラムの実施状況を注意深くモニタリングして、狙った効果が確実に出るようにしていくことができるだろうとしています。



また、コロナ危機が銀行のポートフォリオの質に影響を与える可能性と、さらに米国の利上げの可能性のスピルオーバー効果を踏まえて、金融業への警戒も引き続き行っていくべきだと世界銀行は述べています。



(出所:Vietnam Plus世界銀行

(画像:Photo by Silver Ringvee on Unsplash )