[ベトナム] 早期コロナ封じ込めで景気後退を回避

エコノミストによると、ベトナムは、早期の新型コロナウィルス(Covid-19)封じ込め策が功を奏して仕事や学校に戻れるため、今年の景気後退を回避できるかもしれません。

[ベトナム] 早期コロナ封じ込めで景気後退を回避


エコノミストによると、ベトナムは、早期の新型コロナウィルス(Covid-19)封じ込め策が功を奏して仕事や学校に戻れるため、今年の景気後退を回避できるかもしれません。


オックスフォード・エコノミクスのリード・アジア・エコノミスト、シャーン・フェンナー氏は、ハノイが4月末に経済活動再開を許可したのち、ニュースネットワークCNBCに対して、「国外の世界需要低迷のあおりはうけますが、景気後退に陥るとは予測していません。」とコメントしています。


これは、ベトナムが早くに入国制限をかけ、ソーシャルディスタンシングを実施したことで、コロナウィルスの大波に飲まれずに済んだからだとしています。また、ベトナムは、米中貿易摩擦によるサプライチェーン移行の恩恵も受けており、フェンナー氏は、この流れもまたベトナム経済を引き続き支えることになりそうだと言います。



今週月曜日(5月4日)には、3か月の自宅待機を経て、何百万という学生が学校に戻りました。ベトナムは、東南アジアの中で行動制限措置を緩和した最初の国となりました。初めてコミュニティ内感染が見つかった2月初旬に、ベトナムは学校を休校にしています。


今回の新型コロナウィルスが最初に見つかった中国と陸続きのベトナムですが、人口1億人弱に対して感染者数はたった271人、死亡者数は0です。3週間近く、新規感染者は報告されていません。

▼ベトナムのコロナウィルス感染者数推移(出所:CNBC)




ベトナムがウィルス封じ込めに成功したのは、2003年SARSで学んだ経験を生かして、流行の初期段階で断固とした措置をとったことに起因すると言われています。WHOによると、ベトナムは、当時も国内感染が確認される国のリストからいち早く抜けた国でした。


今回、「他の東南アジア諸国がためらっている間に」、ベトナムはかなり早いタイミングで渡航と感染の可能性がある人々を厳しく管理したと、シンクタンク、オーストラリア戦略政策研究所のシニアアナリスト、フオン・レ・トゥー氏は述べています。


外国問題評議会(Council on Foreign Relations)ウェブサイトへの投稿で、レ・トゥー氏は、政府のロックダウンの判断は早く、ベトナムに入国する者はすべて隔離し、中国からのツアーグループの入国を止めたと書いています。入国するヨーロッパ人からの新しい感染の波が起こったのを受けて、3月20日にはすべての国際線を停止しています。


レ・トゥー氏はまた、ハノイが徹底的な接触者追跡(コンタクト・トレーシング)を実施したことについても触れています。


「ベトナムには広く普及した安全保障があり、軍(と多くの市民)の協力を得ることができるため、ハノイがこのような公衆衛生監視を行うことが容易であった」とレ・トゥー氏は述べています。


ベトナムの発表数値の信頼性への疑問が残る一方で、独立系マクロ経済リサーチ会社キャピタル・エコノミクス(Capital Economics)は、「感染流行が完全に制御できている自信がなければ、ハノイはロックダウンを終了しないだろう」と述べています。


キャピタル・エコノミクスのシニアアジアエコノミストのギャレス・レザー氏は、「経済にとっては明らかにいいニュース」だと述べています。


一方で、レザー氏は、生活が一気にコロナ前の状態に戻ることはないので、規制を解除したからといって、今年は経済が鈍化することは免れないと言います。レザー氏は、ベトナムの経済成長が沈滞する主な理由は、世界経済の見通しの悪化だと主張しています。


「ベトナムは域内でも最も貿易依存型の経済のひとつです。輸出はGDPの70%を占めていますから、他の国々よりも打撃を受けることになります。」


輸出は2020年3月、前年同期比で12.1%下落しました。しかし、最悪の事態がやってくるのはおそらくこれからだとレザー氏は考えています。GDPの4%を産出する観光業も、瀕死の状態です。


レザー氏は、ベトナムの今年のGDP成長率について、2019年の7.0%から大幅に下がって0.5%程度と予測しています。国際通貨基金(IMF)は、ベトナムの今年の経済成長率を2.7%と予測しています。


東南アジアで行動制限措置を解除したのはベトナムだけではありません。近隣国のタイとマレーシアも規制の緩和を始めています。


経済活動を再開する国がある一方で、インドネシアやフィリピンでの検査率が低いことへの懸念から、東南アジアがCovid-19の次の温床となる可能性は捨てきれないとも言われています。


一方で、シンガポールの感染者数は18,000人を超え、域内最多となっています。シンガポールは、現在、他のアジア諸国から出稼ぎで来ている外国人労働者のコミュニティにおける感染拡大と戦っています。

(出所:CNBC

(トップ画像: Quang Nguyen vinh from Pixabay)