2018/10/30
[ベトナム] ホーチミンシティの賃貸利回りやや下がる
ホーチミンシティにおけるアパートメントの賃貸利回りがやや下がりました。大量供給によるものだと不動産コンサルティング会社各社は分析しています。
第2、3四半期に不動産市場レポートによると、CBREは、賃貸料がオーナーの期待値を下回っており、いくつかのエリアで利回りが下がっていると報告しています。
CBREベトナムのシニアディレクター、ドゥオン・トゥイ・ドゥン氏はベトナムニュースに対し、利回りの下降傾向は今年初めごろ、多数のコンドがバイヤーに引き渡しされた後から見られると話しています。
さらに、ドゥン氏によると、コンドの中には、デベロッパーが約束していたような品質に満たないものもあり、それも賃料の下降の原因となっているとしています。
2区の高級物件では、7~7.5%から今では6~6.5%に下落、その他の場所ではまだ7%が保たれています。
ドゥン氏はまた、コンド価格が下がっていない一方で、多くの物件オーナーが、激化する競争の中、早くテナントを見つけようと賃料を下げたとも話しており、今後もしばらく6~6.5%が続くものとみています。
サヴィルズ・ベトナムもまた利回りが下落していると報告していますが、現在の利回りがさらに低い4~6%ほどだとしています。
サヴィルズ・ベトナムのリサーチ・ヘッドのヴォー・ティ・カン・チャン氏はベトナムニュースに対し、コンドはサービスアパートの主な競合となっていると言います。
2区、4区、7区のような地区にある、総合的なアメニティやサービスのあるコンドは、借り手にとってもっとも魅力的だとチャン氏は言います。
サヴィルズのレポートによると、2015年~2018年の間にコンドの供給量がぐっと増え、その中でもグレードAとグレードBのコンドは年間68%の増加を見せています。
今後のトレンドとして、同レポートは2020年まではアパートメントの供給量が高い状態が続くとしています。
一方で、市場のポテンシャルは、ホーチミンシティの安定した経済と海外からの関心の高さのおかげで高い状態が続くともしています。
JLLによると、ロケーション、工事の品質、アパートメントのアメニティなどの点から、ハイエンド賃貸のセグメントは人気が出てきていると言います。
今年第3四半期に賃貸用として市場にでたハイエンドのアパートユニットは27,255ユニットでした。
JLLのカントリーヘッド、ステファン・ウィアット氏は、うち30~35%が投資用の賃貸物件として購入されたものだと言います。
今年これまでに、1区、2区、4区、ビンタン区、フーニュアン区で、10件のハイエンドプロジェクトが立ち上がり、5,320ユニットが新しく市場に投入されました。
これらのユニットの平均賃料は、今年末までに年間平米あたり122USドル(月あたり10.1USドル)に達するとみられています。
2019年~2021年の間に、大量の供給にともなって、賃料の下降傾向が連鎖方式で起こるとみられています。特に単調なデザインの大規模プロジェクトはあまり外国人に人気がない一方で、ハイエンドセグメントを求めるベトナム人の借り手の需要は低いからだとウィアット氏は説明しています。
供給量が増えていることに伴い、空室状態が長引くと、賃貸市場は横ばい、もしくは弱気になるでしょう。
賃料成長率も、品質が低下した/古い物件についてはマイナスになるでしょう。
しかし、これらの下降傾向は、現在進行中の好ロケーション&ハイクオリティなプロジェクトが完成すれば、オフセットされるとみられています。
(出所:Vietnam Investment Review)
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