2018年8月グローバル不動産市場見通し:物流倉庫

JLL社が発表した、2018年8月グローバル不動産市場見通し。その中でも物流倉庫関連の記事をご紹介します。

2018年8月グローバル不動産市場見通し:物流倉庫



物流スペースに対する需要は世界中で引き続き堅調

世界の物流市場は、2018年当初の勢いを持続させています。供給が増える中でも確実に需要があるため、空室率を低いレベルに保てています。新規に市場投入された在庫のプレリース*のトレンドが高まっている中、高品質のスペースを求めて繰り広げられている現在の競争が、2018年後半、世界的に賃料にさらなる圧力をかけることでしょう。

*プレリース:物件が入居できるようになるよりも前に、物件の賃貸契約を結ぶこと


■米国の産業セクターの空室率は、続々と供給が続く中、安定的に推移

米国の産業史上は、第2四半期で盛り返し、成約率も伸び、賃貸料の年間成長率は6%を超えています。空室率も安定的で、新規スペースの強いプレリースのトレンドに支えられ、5.0%を下回るレベルを維持しています。前年同期比で引き渡しが28%増加する一方で、空室率は減少を続けてきました。トップの物流市場は、3.0%以下の空室率を維持しており、高品質のスペースを求めての競争は激化、2018年の賃料にさらなる圧力をかけることでしょう。



■ヨーロッパの倉庫市場は2018年新記録へ向かう

ヨーロッパの倉庫市場は、その勢いを維持したまま後半期を迎えることが予想されています。それをけん引するのは、過去2,3年に見られた、経済成長と構造改革の組み合わせです。

最適な用地を取得するのが困難な中、工事は順調に進んでおり記録的なレベルです。新しい開発が著しく鈍化する兆しは全くありませんが、新築倉庫の大部分がビルド・トゥ・スーツ型*であることに触れておかねばなりません。全体的に、2018年も、2017年の実績よりもやや高めに落ち着くのではないかと楽観的な見方が出ています。健全な需要と供給不足の状態を考えると、第2四半期に賃料の成長が加速したことは驚くべきことではありません。このトレンドは今後も継続するとみられています。

*ビルド・トゥ・スーツ型:ビルド・トゥ・スーツ型とは大規模物流施設の開発・運営手法であり、入居するテナント(荷主企業・物流企業)の要望に沿った用地・設備を兼ね備えた物流施設を設計・建設・運営し、定期借家契約に基づき賃貸で提供する、いわばオーダーメイド型の専用施設のことです。
(出所:日本通運



■アジア・パシフィックの強い需要に応えるべく新規供給が続く

アジア・パシフィックのほとんどの物流市場において、第2四半期、賃料のさらなる上昇がみられました。特に成長が顕著だったのは、北京と上海で、賃料が過去4年間で最も速いペースで上昇しました。一方で、東京では働き手不足が、現代的な物流スペースの需要に拍車をかけています。香港では、商取引の鈍化とテナントの移転などにより、賃料がじりじりと下降しました。

(出所:JLL