[マレーシア] リンギット安が外国不動産投資家呼び込む

2022/08/23



マレーシアリンギットは、今年に入って対USドルで6%も価値を落としており、これが外国人投資家がマレーシア不動産市場に呼び戻されている、と中国の海外不動産情報サイト「居外網」などを運営する不動産テクノロジー企業ジュワイIQIは述べています。



ジュワイIQIの共同創始者でありグループCEOのカシーフ・アンサリ氏は、2018年の最高値と比較するとリンギットは13%ほど安くなっており、外国人投資家は為替レートのトレンドの恩恵を受けていると述べています。



▶USD/MYRの為替レートの推移(出所:Google Finance)



「国際貿易産業省のデータによると、外国直接投資は堅調で、2022年第1四半期には278億リンギット(約8,434億円)の投資を呼び込みました。」



「投資の多くを占めるのが製造業で、生産能力が高まり、マレーシアのさらなる市場シェア獲得につながります。」と述べています。



カシーフ氏は、マレーシアが、商品市場の高騰、輸出増、堅調な外国直接投資、国内需要の回復などの恩恵を受けているとして、インフレーションは今年3.2%でピークを迎え、2023年には2.8%に下がると予測しています。



また、マレーシア中央銀行(Bank Negara Malaysia)が5月から翌日物の政策金利を引き締めはじめ、緩和的な1.75%から2.25%にまで引き上げたことを受けて、国内各行も足並みを揃えて、基準貸出金利を年利5.9%にまで引き上げました。



「これらの動きが、過去2年間にわたる例外的に低いレベルの金利からの上昇を表すものの、依然として金利は歴史的に見れば低い状態が続いています。」



▼マレーシアの政策金利の推移(出所:Trading Economics




カシーフ氏は、国の経済も不動産市場も、ダウンサイクルに陥ることなく、金利上昇を十分に吸収できるだけの勢いを持ち合わせているとの見方を示しており、今年のマレーシアのGDP成長率を5.7%と予測しています。




(出所:Bernama