2020/06/15
[マレーシア] 回復期の活動制限令RMCOは今までと何が違う?
マレーシアは2020年6月10日より、回復活動制限令(RMCO)を実施しており、国内の新型コロナウィルス(Covid-19)の状況が改善しているのを受けて、より制限を緩和した新しい回復フェーズに入りました。
マレーシアがRMCOに入る前日は、Covid-19から回復・退院した人が281人と活動制限令(MCO)始まって以来最多となりました。
ここで、5月13日~6月9日まで実施されていた「条件付き活動制限令(CMCO)」と、6月10日~8月31日まで実施される「回復活動制限令(RMCO)」の違いを見ていきましょう。
1.新しい規制の名称は?
2020年感染症予防管理に基づく規制(国内感染域内の措置)(No.7)(Prevention and Control of Infectious Diseases (Measures within Infected Local Areas) (No. 7) Regulations 2020)と言います。
これは、同規制が今年作成されてから7番目のものであるということを示しています。政府は、保健相を通じて、新しい活動制限令(MCO)のフェーズが導入されるたびに新しい規制を発行してきました。
2.新しい規制の有効期間はいつから?
RMCOの新規制は、2020年6月9日の官報に掲載され、6月10日から8月31日まで有効となります。
3.禁止活動のリスト更新、より短く
RMCO実施期間における禁止活動リストは、政府がより多くの活動とより多くの業種に再開を認めたのにともない、前回のCMCOの15カテゴリーから11カテゴリーへとリストが短くなっています。政府が行った厳しいCovid-19予防策、保健当局の積極的なスクリーニング検査、マレーシア人のルールや予防策の遵守、すべてを結集した結果勝ち取った自由とも言えましょうが、保健省は、国民に対して日ごろから標準作業手順(SOP)に従い、ソーシャル・ディスタンシングを心がけるように呼びかけています。
RMCOのもとで新たに禁止活動に加わったカテゴリーがあります。
- スポーツイベント・トーナメントの計画、開催
- 接触型スポーツ
- ウォーターパーク、ウォーターパーク活動
- 水泳プールにかかる活動(プライベートレジデンスの水泳プール、1992年観光業法(Tourism Industry Act 1992)に基づく宿泊施設*のプライベート用水泳プールでの活動は除く)*ホステル、ホテル、民宿、寄宿舎、レストハウス、下宿屋で、支払その他の報酬を受け取る代わりに宿泊先を提供する場所のこと
しかし、2020年東京オリンピックへの参加に向けたオリンピック選手の訓練のための水泳活動は認められていると書かれています。
- マレーシア人が海外ツアーに参加すること、外国人がマレーシアに入国してマレーシア国内で行われるツアー活動(Covid-19対策として、マレーシア人の出国、外国人の入国を禁ずる、出入国制限措置と一致)
- カラオケボックス、ショッピングモールやファミリー娯楽施設での子ども用遊び場
- 健康・美容施設におけるリフレクソロジー、マッサージ活動
- 【新規の包括カテゴリー】ソーシャル・ディスタンシングの実施および保健局長の指示に従うことが困難な場所で多くの人が出席するような活動
4.RMCOのもとで引き続き禁止される活動
- パブ、ナイトクラブでの活動。ただし、今までとの大きな違いは、RMCOでは「パブやナイトクラブでのレストラン事業」は認められているということです。
-衣料品の試着、衣料品店での試着室の使用、 店内でのアクセサリー試着、店内での化粧品テスターの提供
- クルーズ船の活動
CMCOの規制と比べると、RMCOでは禁止事項として特にあげられていない活動には、宝くじ・カジノ、理髪店・美容院サービス、映画・ドラマ・ドキュメンタリー・広告の撮影があります。
5.CMCOとRMCO、何が違う?
●自家用車に乗せることのできる人数
CMCOの下では、当初、乗用車には、全員同じ家に住んでいれば、ドライバーと同乗者3人の最大4人まで乗車が可能となっていました。しかし、5月27日からはそれが緩和され、法令で許される人数であること、そして全員が同じ家に住んでさえいれば、1台の自家用車に乗れる人数についての規定はなくなりました。
RMCOでは、自家用車に乗れる人数についての規定はありません。
●公共交通機関の人数規制
CMCOでは、公共交通機関は収容能力の半分まで、タクシー、配車サービスの車には1回の乗車につき乗客2人までしか載せることができませんでした。
RMCOでは、公共交通機関の輸送可能乗客数は、保健局長の指示に基づくことになっています。
●州をまたぐ移動
CMCOでは州をまたぐ移動についての規定がありましたが、RMCOでは州をまたぐ移動についての制限はありません。
●国外からの入国者の取り扱い
マレーシア国民、永住者、駐在員、外交官、その他入国管理局長からマレーシアへの入国を認められた外国人は、マレーシア到着時に健康チェックを受けることになりますが、RMCOでは、自宅での自己隔離を命じられた者はリストバンドを着用することが義務付けられています。以前は、外国からマレーシアに入国する者はすべて政府指定の隔離施設で隔離することになっていました。
●集会・行進
RMCOでは依然として行進は禁止されていますが、葬儀への参加の最大人数についての規定はなくなりました。CMCOでは、葬儀への参加は最大20人まででした。(国民統合省の標準作業手順には、RMCO期間の補則が含まれており、そこには葬儀には家族15人までが参加可能となっています。)
CMCOでは、経済、宗教、教育・学習、スポーツ、娯楽、社会、文化の目的でのすべての集会を禁止していましたが、5月22日の改定では、保健局長の指示に従った礼拝所での集会は認められるようになりました。
RMCOでは、自身の宗教の礼拝のための場所に、集団礼拝も含めて、ただし保健局長の指示に従って、礼拝を行うために集うことが可能と書かれているだけとなっています。
CMCOでは、5月18日の下院議会、ハリラヤ・プアサなど一連の行事についての規定があったのに対して、RMCOでは行事や議会など立法機関の開催についての規定はありません。
しかし、上記の禁止活動の包括的カテゴリー、つまりソーシャル・ディスタンシングの実施および保健局長の指示に従うことが困難な場所で多くの人が出席するような活動が適用されることになります。
RMCOの規制への違反には引き続き罰則があり、最大1,000リンギットの罰金、最長6か月の禁固、または両方となっています。
(出所:Malay Mail)
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