[フィリピン] Build Build Buildプログラムとは?

フィリピンのドゥテルテ政権が進めるBuild Build Buildプログラムについての記事をご紹介しましょう。

[フィリピン] Build Build Buildプログラムとは?


前回ご紹介した「フィリピン市場の2018年まとめと2019年見通し」で触れた、フィリピン政府が推し進めるBuild Build Buildプログラムとはなんでしょうか?2018年7月のものになりますが、Business Inquirer紙がまとめた記事をご紹介していきましょう。

アメリカ人エコノミストのジャネット・イェレン氏は言います。「生産性は様々な要因に依存します。たとえば、働き手の知識やスキル、資本の質と量、働き手が使うテクノロジーやインフラなどです。」

フィリピンは、脆弱なインフラのために失業と貧困に悩まされています。

リチャード・ジャヴァッド・ヘイダリアン氏がForbes(フォーブス)誌に寄稿したレポートによると、国際協力機構(JICA)がマニラの渋滞は脆弱なインフラにより引き起こされており、2012年には約24億ペソ(約50.6億円)の損失につながっており、2030年には3倍になると言われています。

「2011年以降、フィリピンは、それまでの平凡な成長を抜け出し、(東南アジア)地域で最も急速に成長する国の中で主役に躍り出ました。」とヘイダリアン氏は言います。「しかし、同国の成長は浅く、包括的なものとはほど遠いものでした。失業、貧困と飢餓についてはほぼ触れられない状態となっています。」

「インフラは明らかに同国のアキレス腱です。」

こうして、ドゥテルテ大統領は、「Build Build Build (BBB) プログラム」を発動し、インフラへの支出を加速させ、成長を促し、職を創設し、フィリピン人の生活をよくするための産業の開発しようとしています。

BBBプログラムの主要なプロジェクトは、以下の通りです。
(1) スービック - クラーク鉄道
(2) ラグーナのロス・バニョスから、マニラのトゥトゥバンとパンパンガのクラーク・フリーポートを結ぶ南北鉄道プロジェクト
(3) パンパンガ・クラークの1500ヘクタールの工業団地
(4) パンパンガのクラーク国際空港の拡張


そのほかのプロジェクトには、(a) エネルギー施設4か所、(b) 水源プロジェクト・灌漑システム10か所、(c) 洪水管理設備5か所、(d) 再開発プログラム3つがあります。

財務次官のグレース・カレン・シンソン氏は、インフラプロジェクトを実施するための官民パートナーシップの提案、特に民間からのUnsolicited Proposals(直接民間企業が持ってくる提案)を歓迎するとしています。

Unsolicited Proposalには、(a) 公共の必要性に対応するもの、(b)(i) 新しいコンセプトやテクノロジーにかかわるもの、(ii) 政府の優先プロジェクトのリストに記載のないものを含んでいる必要があります。これらの提案は、スイスチャレンジ方式と呼ばれる入札方法にかけられ、当初の提案者が、同プロジェクトの他の提案者の提案条件にマッチできる権利を行使できるいうものである。

この点において、アジアズ・エマージング・ドラゴン vs DTCにおいて、最高裁判所は、Build-Operate-Transfer Law(通称BOT法)の実施規則に則ったスイスチャレンジにおいて、当初の提案者は、一番低い金額、または最も有利な提案を通知から30稼働日以内にマッチできれば、当初の提案者にプロジェクトが落札されるとしました。

さらに、Unsolicited Proposalは、(a) 建設コストの削減、プロジェクト実行の加速、安全性の改善または設備メンテナンス・運営コストの削減に特に貢献する能力をもっている、(b) 提案者、もしくは提案者のコンソーシウム(合弁企業)が、国際的あるいは地域的に独占的な権利を有するような工程を含む、(c) 提案者、もしくは提案者のコンソーシウム(合弁企業)あるいは協会が知的財産権を有するような意匠、方法、あるいは工学概念を含むようなとき、新しいコンセプトあるいはテクノロジーを伴うと判断されます。

一方で、政府提案型の官民パートナーシップ、つまり、政府の優先リストに載っているようなプロジェクトは、一般入札の手続きに沿って行われなければならず、プロジェクト総額の50%以下の政府のサポートを受けることになります。

最高裁判所は、Lagoc(ラゴック)vs Malaga(マラガ)判決で、競争入札は、(a) 開かれた入札を通して、公共に可能な限り最高の利益を与えることにより、公益を守ること、(b) 公共事業契約の実施において、えこひいきの疑惑や異状を排除する目的があるとの判決を下しました。これは3つの原則 (a) 公募、(b) 競争の機会、(c) 入札の適格な比較のための基準、に従っています。

「私にとっての人権とは、フィリピン人、特に社会の周縁の人々に、よりよい暮らしに必要な社会的・物理的なインフラを提供することを通して、ちゃんとした未来を与えることを意味します。」とドゥテルテ大統領は、2018年7月23日の一般教書演説で述べています。

しかし、BBBプログラムの進捗に関しては、まだ不確かな部分がいろいろあります。

シャーウィン・ガチャリアン上院議員は、上院決議No.759を提出し、BBBプログラムの進捗、サスティナビリティおよびリスクを見直すよう求めています。「ドゥテルテ政権の負債と資金調達方法を注意深くモニターしていく必要があります。融資、その他政府が採用する資金調達法の、透明性、説明責任と分別ある利用を確実にするためです。」とガッチャリアン氏は述べています。

(出所:Business Inquirer