[マレーシア] 中央銀行、2021年最初の利下げはいつ?

2021/02/11

[マレーシア] 中央銀行、2021年最初の利下げはいつ?

OCBC銀行の専門家は、マレーシアの中央銀行が2021年最初の利下げを行うのは、第2四半期、経済情勢が思ったように上向きにならなさそうなことが確定した時のなるのではないかと予想しています。


OCBC銀行のエコノミスト、ウェリアン・ウィラント氏は、景気回復は必ずやってくるが、その大部分はCovid-19のワクチン接種が主要経済大国で始まることで、大いにけん引されるだろうと述べています。


ウィラント氏は、1月20日に中央銀行が翌日物の政策金利(OPR)を1.75%に据え置く決定をしたことについて、感染者数が再増していることが、2020年ほどではないにせよ、状況を悪くしている、ワクチンの展開がスムーズに行くかどうかという点において、マレーシアは可能性が低めのサイドにいる、と述べています。


ウェリアン氏は、サラワク州以外のすべての州で活動制限令(MCO)が再び導入されていることと、非常事態宣言の発令を受けて、状況は刻々と変化しているものの、経済の見通しは上向きのまま据え置かれていることもあり、中央銀行が政策金利の引き下げに急ぐことはなさそうだとウェリアン氏は述べています。


集団ワクチン接種を受けて、第2四半期にどのくらい楽々と成長率が上がってくるものなのかについては、ウェリアン氏は、中央銀行をよりも慎重な姿勢です。


「ベースラインの前提は、やはり国内外でどのくらいスムーズにワクチン接種が展開されるかです。それが安定的な上向き成長につながるかは、これから見ていく必要があります。このようなダウンサイドリスクは、中央銀行の声明の中でも十分に強調されており、金融政策決定会合は、状況が悪化した時のために少し余裕を残しておきたいのでしょう」と述べています。


インフレ率に関しては、ウェリアン氏は、中央銀行の声明が「基調インフレ率は、経済にいくらか余裕があることから、控えめな状態が続くとみられている」としつつも、「見通しは、世界の原油および商品価格による」と述べていることに触れて、インフレ率の見通しは、中央銀行の懸念材料となるにはほど遠いものの、商品価格が最近上がっていることを受けて、今年は大雑把な見方のままでは済まないかもしれないと述べています。

(出所:New Straits Times