2020/12/15
【海外不動産投資】フィリピンの経済成長率と不動産投資の魅力
(導入)近年の東南アジア諸国は、不動産を始め外資系企業の参入やスタートアップへの投資など、世界各国からの投資対象として注目されています。とりわけシンガポールでは、国内のみならず、海外に不動産を所有している投資家も少なくありません。比較的東南アジアでの不動産投資の期待は周知されているものの、世界全体としてまだまだ「新興国」扱いをされているという点が、経済の発展を活発化させているともいえるでしょう。
そんな東南アジアの中で、不動産投資の観点から注目したい国が「フィリピン」です。この記事では、フィリピンにおける経済成長率と不動産投資の魅力に着目していきます。
日本と各国の比較
日本は先進国の中でも、昨今は経済成長が停滞している状態です。図のGDP Per Capita(出所:世界銀行)を参照すると、アジア圏においてはシンガポールに劣っています。(図1・2参照)
日本経済が停滞しているのは、全体的な投資の視野が狭く、内側に向けられていることも要因といえます。日本の不動産業界の場合でいうと国内投資が多く、そして投資家が重視しているのはインカムゲイン(利回り)です。一方海外投資家の多くは、他国の不動産に目を向け、利回りよりも、含み益を併せた不動産の価格上昇率に着目しているなど、将来的な投資目線を持ち合わせています。
こうした現状を踏まえ今後の日本は、より外側・将来的な視点を持ち、日本国内だけでなく、外貨を通じた経済活動・経済投資に対して積極策を講じることも重要になってきます。
冒頭で述べたように、シンガポールやフィリピンといった周辺諸国で国外の不動産投資と資産形成が行われている以上、日本でも現役の中堅・管理職世代(30~50代)による経済投資、その子どもたちに対する教育など、グローバルな視野を浸透させていくことが必要といえるでしょう。
■図1:
■図2:
東南アジア諸国で注目したい国「フィリピン」
上述の通り、シンガポール国内では、海外不動産に対する投資は多く見られます。移住したい国ランキングでも上位に位置していますが、坪単価や不動産消費税も高く、国内の利回りは1%台と、投資対象として適していません。日本人投資家が同等の坪単価を狙うのであれば、都心の物件に投資しても変わりないでしょう。
一方でフィリピンは、不動産投資に関して、物件的・環境的にも全体的にポジティブといえます。ここでは、フィリピンの経済状況と併せて説明していきます。
なぜ、フィリピンで不動産投資なのか
東南アジアの中でも、フィリピンは最も経済成長率が高いといえます。また、不動産投資に関しても、世界から注目されています。
しかしながら、実際日本人による不動産投資で検討にあがる国はタイです。旅行や出張で訪れる機会も多く、馴染みのある国ということも要因かもしれません。そんなタイで見落とせない社会問題が「人口減少」です。(図3参照)
■図3
人口増加と不動産価格の関係性
現代の日本は人口減少といわれていますが、この社会問題は深刻なものです。というのも、人口推移は不動産価格と非常に密接な関連性があるといわれています。
現東京大学特任教授で不動産統計の専門家、清水千弘氏も論文で述べていますが、人口減少が進めば、不動産の需要と供給のバランスが崩れ、「供給過剰」の状態に陥ることが懸念されます。これにより生じたオフィスや住宅の空室率は、不動産価格に大きく影響するといえるでしょう。[参考文献:三浦・麗澤大学 清水千弘研究室「将来30年間において人口効果が住宅価格に与える影響度に関するシミュレーション分析」(2015年)]
このため、人口(特に15歳~65歳といった生産年齢人口)が増加していく国は、GDPも増え、インフラや住宅の需要もあり、都市化も進むといえるのです。働く人の割合が増えることで、その国の経済成長を促します。この点で、フィリピンは2062年まで人口増加が続くと見込まれており、これは東南アジアの中で最も経済成長が続く国ともいえるのです。
フィリピンの政治経済と不動産マーケット
世界的に見ても、投資に関してお金が集まりやすい国とは圧倒的に英語と中国語圏です。東南アジアでいえば、フィリピンは英語、マレーシアは英語と中国語が公用語になります。こうしたフィリピンやマレーシアでは、外資系企業も多く参入しており、かつ英語や中国を使った国外での活動の場も広がっています。
米国では、医療従事者(医師や看護婦)に英語を話せるフィリピン人が多く採用されています。そして、国外で生活を送る人々によるフィリピン国内への送金が非常に多いため、通貨の安定性も見込まれています。
フィリピンの不動産業界では、税制面にはまだ課題があるものの、価格上昇率や利回りの期待値が高いです。また、昨今のフィリピンでは政策金利が2%台まで下がり(2019年まで平均3.5~4.5%)、フィリピン国内では不動産購入に対して積極的になってきています。
フィリピンの賃金上昇率もポイントです。フィリピンでは賃金上昇率を6%と安定的に保っています。もし賃金量上昇がなければ、価格も横ばい又は供給過多により下降していきます。その点、賃金上昇率の見込まれるフィリピンでは、不動産価格も同時に上昇すると予想されています。(図4参照)
産業としては、農業、BPO、カジノが割合を占めています。特に、BPO産業では大手多国籍企業の経理業務やコールセンターとしての役割を担っており、それに付随してオフィスの区分売買など、日本の不動産業界ではあまり事例の無い取引が見られることも特徴的です。
■図4:
周辺諸国との比較
不動産投資では価格や利回りといった個々の物件的要素だけではなく、上述のような経済的背景、環境、人口増減など、社会状況と併せて総合的に見る必要があります。
人口増加という点だけを見ればインドネシアも同様に増加していますが、インドネシアは外国人による不動産登記ができません。また、ベトナムなど英語が通用しない国では、条件交渉や契約書面においてトラブルが発生したケースもあります。日本円から見れば価格としては安い場合も、その国の経済状況と比較すると不釣り合いな価格という見方になることもあるでしょう。(図5参照)
こうした理由から、経済成長が将来的にも期待できるフィリピンは東南アジアの中でも不動産投資に期待できる国といえます。
■図5:
フィリピンの不動産動向
2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、フィリピン国内の経済は動きが軽減されましたが、フィリピンの大手財閥アヤラREITが国内で初めて上場しました。これをきっかけに、今後は不動産投資法人の上場に向けた取り組みなど、フィリピン国内での不動産動向が注目されるでしょう。
実際フィリピンでは、首都マニラにて大型複合施設やコンドミニアムの開発が進んでいます。中でも注目のエリアが、オルティガスです。マニラの中心地として賑わうマカティに継ぐ第二の商業エリアともいわれています。マニラの商業地における土地価格推移を見ても、オルティガスは上昇の期待値が大きいと予想されます。(図6参照)
また昨今では、マニラ国際空港からオルティガスを通り、北部の住宅街を結ぶ地下鉄の開発など、インフラ整備にも力をいれた都市としても将来性が見込まれます。
■図6:
マニラ地下鉄駅開発プロジェクト
現在オルティガスでは、地元の大手デベロッパー「オルティガス・ランド」による、高所得者向けの投資用コンドミニアム「Empress‐エンプレス‐」が開発されています。周辺には既に開発済みのオフィスゾーンやシネマ、店舗などが立ち並ぶ商業モールもあり、地下鉄の駅から徒歩1分と利便性もあることから、新たな住民の流動も見込まれます。
スタジオタイプ(いわゆるワンルームタイプ、30㎡~)では、単身者やDINKS層への賃貸を視野に向けた投資に適しています。また、日頃マニラ中心部で働きに出る夫婦からの需要もあるといえます。細部までこだわったデザイン性と、植物を取り入れた自然豊かな環境といった「スマートリビング機能」を導入し、上質で快適な生活を送ることができる高級コンドミニアムです。(図7・8参照)
こちらのEmpressは、オルティガス近辺の競合物件と比較しても価格が安く、投資物件として狙い目です。エリア周辺の発展やインフレはもちろん、フィリピン特有の価格上昇率を見込んだ投資が期待できます。
■図7:
■図8:
海外投資を検討するなら
今後の経済発展と不動産上昇率が見込まれるフィリピンは、日本からの距離、言語、生活環境など、日本人投資家様にとっても検討しやすく、長期的な投資も期待できる国です。
実際、不動産関係者を始め、海外出張の多い商社関係者、士業関係者等、その他経営者の方々がフィリピンで投資をされています。現役で働く30代から40代の方であれば融資も付きやすいため、投資を初めて検討したいという方や女性にも、海外不動産投資による資産形成をおすすめしております。
但し、フィリピンでは日本の不動産マーケットと異なる点も存在します。オフィス街や商業ビルの周辺は地価が高く、住環境が安定している日本と比べ、フィリピンの地形やインフレの観点から必ずしも都市の周辺が不動産投資に良いとは言えません。また、割賦払いといった不動産の購入の仕方や引渡し前の転売行為など、商慣習の違いもあります。
こうした理由からも、いくら経済成長があるとはいえ、安易な投資によるリスクを避けるためにも、専門家や現地に詳しい方に相談されると良いでしょう。弊社は、現地に不動産管理や税金を専門とするエージェントとの提携や、投資ツアーなども開催しておりますので、海外投資が初めてという方もご安心ください。フィリピンの経済事情、投資相談、不動産購入後の流れまで、全てのご相談を承っております。海外投資をご検討の際にはぜひご相談ください。
また、フィリピンやマレーシアの不動産投資についてはブログでも随時発信しております。下記URLよりご参照ください。
https://propertyaccess.jp/articles
Property Access.co
2016年12月設立。
代表取締役 風戸祐樹
不動産投資ファンドを経て10年間不動産仲介透明化フォーラム(FCT)を設立。米国型売却エージェントサービス「売却のミカタ」を開始し全国展開。2014年以降、ソニー不動産執行役員として創業に携わるとともに事業を拡大。関連取引先との事業の中で、グローバルな不動産投資の視点に興味を持ち、海外留学としてイギリスへ渡る。その後、Property Accessを設立(2017年)し、自身もシンガポールに移住を開始。東南アジア諸国を周り、不動産環境や制度などを視察。フィリピン・マレーシアを拠点に、メディア事業(海外不動産イベント:世界の家・投資フェア/日本国債不動産アワード主催等)と不動産投資コンサルティング事業を行っている。
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