2020/04/10
[マレーシア] 住宅価格は下落するか?
2020年3月末、不動産コンサルタント会社サヴィルズ・マレーシアのマネージング・ダイレクター、ダトゥック・ポール・コン氏は、現在の新型コロナウィルス(Covid-19)流行を受けて不動産市場が厳しくなるため、住宅を買う人にとってはお買い得品を購入できるチャンスだと話しているとして、不動産関連ポータルEdgePropが報じています。
マレーシア国内の政治・経済の問題と相まって、Covid-19の感染拡大を食い止めるべく政府が発令した活動制限令(Movement Control Order)は、事業活動が制限されるため、不動産を含めた多くのセクターが苦戦するでしょう。マレーシアのMCOは2020年3月18日に開始、当初の3月31日までから延長され、4月14日までとなりました。本日(4月10日)、MCOはさらに14日間、4月28日までの延長されることが発表されたばかりです。
「この時期、大規模な不動産取引は見られないでしょう。不動産セクターは他のセクター同様に打撃を受けることが見込まれています。」
「このウィルス流行がどのくらい続くかによって、価格の下落幅は変わってくるでしょう。」として、コン氏は近い将来、競売にかけられる不動産の数が増えてくるのではと予測しています。
MCOの期間が延長されたことで、企業にとってはサバイバルです。「今最も重要なのは、企業の生き残りを助け、失業を食い止めることです。そうすれば、不動産が投げ売りされるような状況にはならないでしょう。」
したがって、コン氏は、マレーシア中央銀行が発表した6か月の融資猶予策はタイムリーな判断だったと考えています。市場に少し余裕を持たせることで、所有物件が差し押さえられてしまうようなケースが発生することを遅らせることができるからです。
「6か月の猶予期間の終わりに向けて、市場にも回復が見られればと思っています。Covid-19の封じ込めがいつごろになるのか見通しが立たない一方で、直接融資の借り手の懐にキャッシュを注入するのはとても有用なことです。」
しかし、猶予期間に金利の支払いが免除されないことには注意が必要です。
「融資の猶予はタダでお金がもらえるということではなくて、日々のキャッシュフローを楽にしてくれるように銀行が少し融資をしてくれたと考えた方が良いです。融資を受けている人はいずれ返済をしなくてはいけないわけですから、キャッシュフローには引き続き注意していなくてはなりません。」とコン氏は注意を呼び掛けています。
一方で、マレーシア不動産・住宅開発業者協会(Real Estate and Housing Developers Association Malaysia (Rehda))のプレジデント、ダトゥック・ソーム・ヘン・チューン氏は、今の時点では不動産価格に大きな変化は見られないが、MCO期間中の不動産販売はほぼ停止状態になると見ています。
「このCovid-19の世界的流行の影響が長引けば、キャッシュフローを確保するためにデベロッパー各社は販売価格に調整を加えざるをえません。なんといっても重要なのは生き残ることですから。」
「デベロッパー各社にとっては厳しい時期ですが、MCOが終われば販売は少しずつ戻ってくるでしょう。」
(出所:EdgeProp, Savills)
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