2021/12/13
世界銀行は、今年のフィリピンの経済成長率予測を上方修正して5.3%としました。9月の予測では4.3%でした。
世界銀行は、今年3月下旬と8月上旬に、最も厳しいコミュニティ隔離措置を再実施したにもかかわらず2021年1月~9月期で成長が記録されたことから、今年の予測を上方修正しました。
世界銀行のブルネイ、マレーシア、フィリピン、タイの国担当ディレクター、ンディアメ・ディオプ氏は、バーチャル会見で、「行動制限が経済活動に与える影響は時間とともに少なくなってきた」と述べています。
ディオプ氏は、2021年の第1~3四半期で、フィリピン経済は、前年同期の-10.1%収縮から4.9%成長したと話しています。
世界銀行の2022年、2023年の見通しも高く、平均5.8%と置かれています。
今後2年の経済成長は、消費、インフラ支出、ワクチン接種、そしてビジネスの立ち直りにけん引されるでしょう。
しかし、ディオプ氏は、今後新しい感染の波が起こる可能性があり、それが経済成長の主要なリスクとなるだろうとも述べています。
ディオプ氏は、ワクチン接種率の高い国々でも、新しいコロナウイルス感染症の変異株により感染者数が増加しているものの、ワクチン接種のおかげでウイルスによる重症化や死亡には対処できているとも加えています。
世界銀行フィリピンの上級エコノミスト、ケビン・チュア氏は、フィリピンの成長の勢いを持続させるために政府に対する政策の提言をリストアップしました。
「重要政策は、長期的な財政の安定性を保護し、回復における民間セクターのテコ入れ、パンデミックによる経済的な傷跡を限定することを目指さなくてはいけない。」とチュア氏は言います。
世界銀行の政策提言の中には、進歩的な財政再建計画、市場の競争促進、規制上の制約の削減、デジタル化の推進、タイムリーかつ対象を絞った保護プログラムなどがあります。
(画像:Photo by Markus Krisetya on Unsplash )
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