2021/11/29
2021年11月25日、北欧スウェーデン発家具メーカー「IKEA」は、フィリピン・マニラ世界最大となる店舗をオープンさせました。この約65,000平米という超大型店舗を足掛かりに、IKEAはアジアでのさらなる拡大を狙っていく戦略です。
▼IKEAオープンの告知(出所:IKEA Philippine Twitter ※現在アカウント凍結中)
オープニングイベントは、店舗内のカフェテリアで行われ、フィリピンのラモン・ロペス貿易大臣、テオドロ・ロクシン外務大臣が参加しました。IKEAおなじみのスウェーデン風ミートボールがふるまわれ、フィリピンらしさを加えるためにアドボソースが添えられました。
IKEAのオープニングは2020年に予定されていましたが、パンデミックにより遅延しました。店舗を訪れるためのオンライン予約システムは先2週間埋まっているということで、訪れた客はマスクを着用し、ソーシャルディスタンスを保つことが求められます。
2階建て店舗25,000平米にはダイニングエリアとショールームを備え、さらに倉庫、Eコマース設備、コールセンターも入ります。敷地はSMプライム・ホールディングスが所有する「モール・オブ・アジア」からのリースです。
IKEAはEコマースにおけるプレゼンスを拡大しており、パンデミックにあってはタイムリーな動きでした。現在、IKEAのオンライン注文は、世界販売の26%を占めているようです。
IKEAは現在、60市場に460店舗以上を持っており、今会計年度にさらに約60店舗を追加する計画です。アジアだけでなく、南アメリカも視野に入れており、春にはチリ・サンティアゴ市にも店舗をオープンさせる計画です。
フィリピンのストアマネジャー、ゲオルグ・プラッツァー氏は、フィリピンが「とても長い間、同社の地図上の最適な場所にあった」と述べています。
プラッツァー氏は、フィリピン進出は常に計画にあったと述べています。「非常に好調な成長経済、増加するミドルクラスと、家庭用家具小売業には良い国内環境がありました。やっとオープンにこぎつけました。」と話しています。
家計支出が第3四半期のフィリピン経済の回復を加速させました。ホリデーシーズンを前にウイルス感染拡大防止策が緩和され、第4四半期はさらに家庭消費が増えると見られています。一方で、国内総生産がパンデミック前のレベルに戻るのは、2022年後半と予測されています。
マニラの店舗は、2020年にオープンが予定されていましたが、Covid-19による行動制限と建設資材の供給混乱により、遅れが生じていました。今回のオープンは、IKEAのアジア拡大戦略の一部です。同社は、インド2店舗目を2020年12月に、3店舗目は今年12月にオープン予定です。
フィリピンでのデビューに際し、IKEAはパンデミックによって持たされた物流の混乱や原材料の高騰などで、2022年はさらに厳しい年になるだろうと予測しています。このような課題にも関わらず、IKEAは2020年に過去最高の売上を記録しました。
IKEAの世界的なフランチャイズを手掛けるインターイケアグループのジョン・アブラハムソン・リングCEOは、2021年10月、ブルームバーグに対して、新商品の大部分を低価格帯に持ってくることで、IKEAを「さらにアフォーダブルに」するというビジョンを語っています。
(出所:Straits Times)
もっと詳しく知りたい方はこちら