[シンガポール・日本] 物価の高い国ランキング:シンガポールとチューリッヒが1位、東京・大阪は大幅ダウン

2024/03/05


2023年11月末にイギリスの定期刊行物『エコノミスト(Economist)』の調査部門 エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が発表したところによると、シンガポールとチューリッヒが2023年世界で最も物価の高い都市に並び、ジュネーブ、ニューヨーク、香港がそれに続きました。EIUは、世界的な生活費危機はまだ終わっていないと警告しています。



世界生計費調査(The Worldwide Cost of Living)は、EIUが年2回実施する調査で、173都市における200以上の商品・サービスについて、400以上の個別品目の物価を比較しています。この調査は、毎年3月と9月にEIUのグローバル調査チームによって収集されるデータに基づいて、30年以上にわたって実施されています。



EIUの報告書では、一般的に使用される200以上の商品とサービスの価格は、平均すると現地通貨ベースで年間7.4%の価格上昇となりました。前年同期の8.1%から伸び率は鈍化したものの、2017年から2021年のトレンドを大幅に上回っています。



ランキングでは、シンガポールが過去11年間で9度目の首位に返り咲きました。政府が車両台数を厳しく管理しているため、交通費の高さが世界一です。また、衣料品、食料品、アルコールも最も高価な部類に入ります。



チューリッヒの物価上昇は、スイスフラン高と食料品、日用品、レクリエーションの物価高を反映しているということです。



ジュネーブとニューヨークは同率3位、香港は5位、ロサンゼルスは6位でした。7位から10位は、パリ(フランス)、コペンハーゲン(デンマーク)、テルアビブ(イスラエル)、サンフランシスコ(アメリカ合衆国)でした。



アジアは他の地域と比べ、平均して比較的低い価格上昇が続いているようです。



最も順位を下げた都市のリストには、ロシア、中国、日本の都市が含まれています。モスクワは105ランクダウンの142位、サンクトペテルブルクは74ランクダウンの147位と、大きく順位を下げました。輸入抑制と労働力不足で両都市とも物価が上昇(5.9%と6.6%の計算)していますが、昨年からルーブルが約60%も下落したことで、物価上昇が相殺された形になっています。



アジアでは、人民元安と円安の影響で、中国の4都市(南京、無錫、大連、北京)と日本の2都市(大阪、東京)が大きく順位を下げました。通貨安に加え、パンデミック後の回復の遅れと消費者需要の低迷が、中国都市のランキング下落につながったと報告書では説明されています。東京は23ランク下げて60位、大阪は27ランク下げて70位となりました。




(出所:Business TimesReutersEIU

(画像:UnsplashのMeriç Dağlıが撮影した写真)