2018/05/18
インターナショナル不動産&投資カンファレンス2018 in Osaka
レポート③
昨年のイベントに引き続き、今回もご登壇いただいた、デベロッパー・グループ共同創業者の徳山明成氏のセミナーの様子です。
デベロッパー・グループ共同創業者 徳山明成氏
慶應大学卒業後、ゴールドマン・サックス証券会社投資銀行部門入社(東京及びニューヨーク)。
大型の出資案件やM&Aに多く携わる。
その後、プライベート・エクイティであるカーライルのバイアウトチームに入社。
投資先の発掘から投資後の経営支援まで、企業価値向上のための役割を担う。
2011年にブリッジ・シー・ホールディングス、2012年に当社を創業。
デベロッパーグループでは、現在インド4都市で5千戸に渡る都市開発、住宅開発を行う。
公認会計士及び税理士。
「インドの不動産開発の魅力と難しさ」
インドに対する一般的なイメージとは?私たちが思い浮かべるインドの様子とは正反対の、急成長する都市グルガオンと、どこか別の近代的な都市の写真かと思われるようなレジデンスやオフィスの様子をまずはご紹介いただいて、徳山氏のセミナーの始まりです。
改めて、インドという国についての概要に触れた後、インドと日本の世界における位置づけ、インドの東南アジア諸国との比較を、GDPの観点から現在と将来予想について言及、インドがいかに成長の可能性の高い国であるかをご説明いただきました。デリー首都圏、ムンバイ、バンガロール、チェンナイ、ハイデラバード、カルカッタ…200万人都市をいくつも抱えるインド。2030年までに、都市部に1.8億人、2050年までに3.8億人が移住すると予想され、現在1,800万戸が不足、2030年までに追加で3,000万戸の供給が必要になるといいます。
経済成長を後押しするファクターとして、安定的なマクロ指標、ビジネスエコシステムの進歩、インフラ開発、構造的な変革、FDIの自由化を挙げ、経済成長が急速に加速するとの見方を示されました。
徳山氏はまた、不動産セグメント、特にレジデンシャルにおいて、
・都市部への移住による成長
・アフォーダブルセグメント(低価格帯住居)が急成長
・法律改正による業界の健全化
・供給も徐々に回復する
と予想。
不動産市場は、今後、(1)経済成長、(2)都市部への急速な移住、(3)インフラ整備や(4)外貨政策の緩和といった成長ドライバーがある一方で、(1)法律・規制の厳格化、(2)高額紙幣の廃止、(3)完成在庫の調整や(4)金融機関の不良債権といったリスクファクターについても認めました。
さらに、インドの不動産開発の難しさとして、ローカルパートナーが必須であり、文化的な理解を持って取り組むことが欠かせないこと、また都市によって異なる言語や法規制に別々のアプローチをしなければならないことや、所有権の明確化・許認可のしくみの複雑さを挙げられました。
しかし、いくつかのネガティブ面も否めない一方で、インドは他の新興国と比べてオポチュニティの甚大さ、比較的低い投資金額の割に高いリターンが見込めること、英語でビジネスが可能なところをポジティブ面として強調されました。
不動産開発のストラクチャーとして、通常の開発以外の、ジョイントベンチャー、ジョイント・デベロップメント、デベロップメント・マネジメントの違いをわかりやすく説明。
最後に、徳山氏がAlbin David Rebello氏と共同創業されたデベロッパー・グループの会社概要と、会社が手掛けるインド各地のタウンシップおよびコンドミニアムのプロジェクト、日系企業と共同開発のオフィス開発についてご紹介いただきました。
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