[ベトナム] 2020年第1四半期ハノイのアパートメント市場

ベトナム・ハノイの2020年第1四半期のアパートメント市場を見ていきましょう。

[ベトナム] 2020年第1四半期ハノイのアパートメント市場


新型コロナウィルス(Covid-19)が落ち着き4月末からロックダウンを緩和したベトナム。不動産コンサルタント会社サヴィルズは、デベロッパー各社が販売目標に追いつくために様々な方策を打ってくることが予想されることから、第2四半期には回復を見せてくると考えています。

今回はサヴィルズのベトナム・ハノイのアパートメント市場レポートをご紹介していきましょう。


■コロナ流行の中での不動産市場

2020年第1四半期は、5件の新規物件と、6件の既存プロジェクトの新規フェーズが完成し、約4,800戸が加わりました(前期比-64%、前年同期比-50%)。新規物件の販売開始は、過去5年で最低レベルとなっています。というのも、Covid-19の流行に対応すべく、デベロッパー各社が計画を急きょ変更してきたからです。プライマリー市場の供給は27,900戸に減少しました(前期比-17%、前年同期比-19%)。うちグレードBが最もシェアが多く、73%でした。

販売は約4,900戸(前期比-53%、前年同期比-50%)となりました。第1四半期前半のテトの祝日もあり、販売がそもそも少なかったところに、Covid-19感染拡大抑制のためのソーシャルディスタンシングの影響も受けました。ベトナム人バイヤーはセールスイベントなどの人ごみを避けていますし、外国人バイヤーは入国禁止のため限定的です。ベトナム政府が2020年4月1日からロックダウンを要請したことで、デベロッパー各社は現場施工の一時停止とセールスオフィスの閉鎖を余儀なくされました。


■プライマリー市場の価格は安定的

プライマリー市場の価格は前期比ベースでは安定的、前年同期比+10%の平米あたり1,460USドル(約15.7万円)となりました。コロナ騒動が2020年後半期にまで持ち越さない限り、サヴィルズはプライマリー市場において大幅な価格修正が起こることはないだろうと考えています。

過去5年間にわたり、プライマリー市場の価格は、安定的に年間5%で上昇してきました。グレードAが、新規供給の開発スタンダード向上により、10%成長と最大でした。コウザイ地区は、CBD(中央業務地区)より値段が低いことに加えて、最先端の医療や教育施設があることから、年間15%成長を遂げました。


■グレードB低迷

グレードBの成約比率*が最も低く、前期比-16ベースポイント、前年同期比-14ベーシスポイントの17%となりました。販売も前期比-57%、前年同期比-51%となっています。供給が十分にあるため、デベロッパー各社は売上を伸ばすために熾烈な競争にでるでしょう。プライマリー市場の価格は、前期比では-2%でしたが、前年同期では5%増となりました。グレードCは、より求めやすいユニットへの需要が増え、成約比率は最高の20%となりました。

*販売÷プライマリー市場の供給


■ポジティブな長期需要のけん引要素

過去10年間、ハノイ市の人口は年間平均2.2%で増え続け、2019年には810万人に達しました。年間12万の赤ちゃんが生まれ、年間10万人ほどの移民を受け入れるハノイ市の人口成長率は、国全体の1.1%より高いレベルを維持しています。

2019年人口と住宅に関する国勢調査(Population and Housing Census)では、ハノイには220万世帯があるとレポートしています。平均世帯人数は、減少気味で、現在世帯ああt理3.5人となっています。アパートメントに住む人の割合は、国内最高の12.9%となっており、2.8%が新しい住居を購入したいと計画しているようです。一人当たりの床面積(NFA per capita)は、2019年には一人当たり26.1㎡で、2014年の23.6㎡から増加しました。

ハイエンド商品への外国人の関心が高まり、外国人比率30%がすぐに埋まってしまう状態です。有名デベロッパーによる、立地の良いプレミアムプロジェクトについては、この傾向が今後も続くとみられています。


■テクノロジーの活用

ヴィングループ(Vingroup)は、「オンライン・トレーディングフロア」を導入、サンシャイン(Sunshine)も「サンシャイン・アプリ」を発表しました。これらのテクノロジー関連の動きは、ベトナム人のへ66%がオンラインを活用し、平均6時間42分インターネットを使っているという現状からも、支持されています。携帯電話浸透率148%*、モバイル接続のうち45%が3Gまたは4Gとなっています。しかし、バイヤーの信頼感を得るにあたって、テクノロジーが、実際の人と人とのコミュニケーションの役割に完全に取って代わることはできないでしょう。
*実際の人口に対するSIMカードまたは電話番号の数


■今後の見通し

短期的なCovid-19の経済への影響は顕著でしょう。

2020年、既存・新規あわせて28のプロジェクト、約39,600戸が在庫に加わる予定です。リードするのはグレードBです。28のプロジェクトのうち、43%が建設中で、36%が基礎工事中です。今後の供給をリードするのは、トゥーリエム地区で在庫の37%、ザーラム県が24%、ホアンマイ地区が23%です。

ロックダウンが緩和され、デベロッパーは販売の巻き返しを図りにくるため、柔軟な支払条件や、少額の頭金、支払スケジュールの延長など、バイヤーへのインセンティブが増える可能性があるでしょう。

(出所:Savills

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(トップ画像:Luu Quang Minh (AA Plus Photography) on Unsplash)