[米国] ハワイ不動産の2023年と2024年の展望

2024/02/15


ハワイ不動産業者協会(Hawai'i Association of Realtors)によると、2024年1月の住宅、コンドミニアム販売件数は増加し、住宅販売は前年同月比で16%、コンドミニアム販売は10%増加しました。また、販売価格の中央値は、住宅販売が前年同期比24%増の1,073,149ドル、コンドミニアム販売が前年同期比14%増の724,625ドルとなりました。





では、昨年2023年のそれぞれのエリアにおける不動産市場の動向を振り返りつつ、今後の動きを見ていきましょう。




オアフ


オンラインサイト「Hawaii Life」によると、オアフ島では、2023年、住宅販売数が増加し、販売価格の中央値は2022年の過去最高値をわずかに下回りました。2023年末の在庫は、2022年末時点よりやや増加しました。



オアフ島では、2023年初めの時点では売り出し住宅物件は少なかったものの、年間を通して販売物件数が増加しました。2023年は656戸が市場に出回り、2022年末より6戸増加しました。全体では、2021年は4,543件、2022年は3,553件、2023年は2,730件と販売総数は2年連続で減少しました。在庫の増加と販売件数の減少に伴い、販売に出されてからの日数を示すDOM(Days On Market)が2017年から2020年にかけての水準まで上昇し始めています。



オアフ島の販売価格の中央値は、現在約103万ドルで、2013年の65万ドルから約58%の伸びを示しています。2022年には、過去最高の110万ドルを記録したので、やや後退した形になりますが、2年連続で販売価格は100万ドルを超えています。



同サイトは、過去10年間の長期データに言及し、オアフ島の住宅不動産市場が、継続的に力強い上昇傾向を示していると述べています。




ハワイ


ハワイ島では、2023年、販売量的には減少しているものの、一戸建て住宅の販売価格の中央値が年間で51万ドル(約765万円)、第4四半期では53万2000ドル(約798万円)と、いずれも過去最高を記録しました。



在庫状況も改善し、2023年末の住宅在庫は682件で、2022年末の648件から+5.2%増加しました。一方、販売件数は26%減少し、2022年の2,621件から2023年は1,940件となりました。



Hawaii Lifeは、在庫の増加、販売価格の中央値の堅調さ、金利の低下傾向から、ハワイ島の不動産市場の見通しは楽観的だと述べています。




カウアイ


カウアイ島の在庫水準は2023年を通して安定しています。第3四半期と第4四半期は販売件数、販売手続き中件数ともに増加しました。



2023 年のカウアイ島不動産市場は、全般的に下落しているにもかかわらず、不動産価格は堅調に推移しているようです。2023年のカウアイ島の販売件数は、不動産売買件数は285件で、2022年の473件から-39.7%減少した。



2023年の総販売件数は285件で、2022年の473件から39.7%減少しました。2023年末の掲載物件数は120件で、2022年末に比べ5件減少したのみでした。2023年第3四半期末の掲載物件数が130件ありましたが、第4四半期に販売件数が増加したことで、年末の件数は減少しました。



2023年の一戸建て住宅販売価格の中央値は、115万ドル(約1億7,253万円)で、2022年の118万ドル(約1,770万円)より3.2%減少しました。10年前の52.3万ドル(約7,847万円)から実に119.8%の上昇を遂げています。



Hawaii Lifeは、金利低下の見通しに加えて、在庫水準が維持されていること、2023年の第3四半期、第4四半期の販売価格の中央値の水準も維持されていることから、2024年のカウアイ島の不動産市場については、慎重ながらも楽観的な見方ができるとしています。




マウイ


マウイ島は8月8日に起こった史上最悪の山火事により、在庫が大きく減少しました。しかし、第3四半期末時点で211戸だった在庫は、第2四半期の水準(250戸)には達しなかったものの、第4四半期には逆転して増加(233戸)の動きを見せています。



山火事のあと、懸念された価格の暴落は起こらず、販売価格の中央値は、2022年より増加しているようです。一戸建て住宅販売価格中央値は120万ドル(約1億8,000万円)で、2022年の110.5万ドル(約1億6,580万円)から8.6%増加しました。



販売件数は、2022年の983件から2023年は723件と28.8%減少しました。ただし、第4四半期に販売手続き中の物件が、第3四半期の153件から187件に増えていることから、2024年の販売数が増えることが予想されています。



Hawaii Lifeは、金利の低下、住宅在庫水準の上昇、販売価格の中央値の堅調さなど、ハワイ不動産には、今後の見通しを楽観視できる理由があると述べています。




(出所:Hawaii Life、Hawai’i Association of Realtors)

(画像:UnsplashのAussieActiveが撮影した写真)