2024/04/01
情報技術(IT)およびビジネスプロセス管理(BPM)企業の業界団体であるフィリピンIT・ビジネスプロセス協会(IBPAP)は、IT-BPM業界の収益が今年400億ドル(約6兆円)に成長すると予想しています。これは、人材供給不足に悩まされ続けながらも、イメージの刷新を模索している同業界の最新予測です。
IBPAPのジャック・マドリード会長は、2024年のIT-BPM業界の収益が400億ドル規模となり、年末までに雇用する従業員は184万人に達する予想だと述べました。
IBPAP会長によると、ヘルスケア分野の成長が続いています。また、銀行や金融サービスも、より伝統的なコンタクトセンター・サービスと同様に成長を続けているということです。
会長は、2023年の業界の業績を「驚異的」と評価し、この業界が経済に355億ドルの貢献をし、13万人の新規雇用を創出したと述べました。
見通しは明るいものの、マドリード会長は、IT-BPM業界が直面する課題として、適切な人材の確保を挙げています。
一方、主要市場のひとつであるアメリカの景気後退については、数年前の景気後退時に多くの業務がフィリピンにオフショア化されたことを引き合いに出し、大きな影響はなさそうだと見ています。
総合不動産サービス会社コリアーズ・フィリピンは、アウトソーシングセクターが、引き続き国内のオフィススペース需要を牽引する主要な要因の一つだと述べています。2023年、マニラ首都圏でアウトソーシング企業が成約したオフィススペースは約281,900平方メートルで、これは全体の34%に相当します。コリアーズはまた、サードパーティーアウトソーシング(3PO)やシェアードサービス企業がセブ、パンパンガ、ラグナ、カガヤン・デ・オロなど、フィリピンの首都以外の主要都市でも拡大していると指摘しています。コリアーズは、事業拡大を計画しているアウトソーシング企業に対し、マニラ首都圏以外の都市部で高いスキルを持つ人材を活用するよう提言する一方、テナント企業に対しては、第二、第三の都市で割安な料金で広大なスペースを提供する新しく竣工したビルに目を光らせるべきだと述べています。
(出所:Business Inquirer、Colliers Philippines)
(画像:UnsplashのWander Fleurが撮影した写真)
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