日本人が海外の不動産で資産形成をするうえで気を付けるべきポイント Vol.2

2021/04/23

今回は、「日本人が海外の不動産で資産形成をするうえで気を付けるべきポイント」と題して、Property Access 株式会社代表の風戸と、日本の不動産仲介を代表する、株式会社 KIZUNAFACTORY代表の稲垣氏の特別対談の2回目を実施致しました。

インタビュー経歴紹介
風戸 裕樹

Property Access 株式会社:代表取締役社長・共同創業者

2004年早稲田大学商学部卒業。同年オークラヤ住宅に入社。その後、06年にクリード、さらに08年ダヴィンチ・アドバイザーズに転じ、この間、起業構想を温める。10年不動産仲介透明化フォーラム(FCT)を設立、社長に就任。日本の不動産取引を変革するべく、米国型エージェント制度の日本版「売却のミカタ」を開始し、全国展開。2014年にソニー不動産にFCT社を売却し、ソニー不動産 執行役員 売却コンサルティング事業部長兼コンサルティング事業部長として、創業に携わるとともに事業を拡大、不動産取引の透明化を加速。2017年シンガポールにてProperty Access 共同創業。

Property Access 株式会社は日本の会社ではあるが、子会社にシンガポール・フィリピン・マレーシアの会社がある。主としてはアウトバウンド【日本の不動産の投資家向けに、東南アジアの成長国の不動産を投資のポートフォリオに組み込むための情報提供】をしている。

マレーシアとフィリピンに関しては、現地のライセンスを取得・現地にもスタッフを配置し、実際に不動産取引も行っている。


稲垣紀人


株式会社 KIZUNAFACTORY:代表取締役
東京不動産大学:学長

新卒で大手総合不動産会社に就職し、以来不動産業界に従事。 2007年に賃貸仲介ベンチャーの創業に参画。 高級賃貸仲介、法人賃貸仲介を中心に経験する。 2014年紹介、リピートのお客様を中心に生涯のパートナーとなれるような不動産会社としてKIZUNAFACTORYを創業。 多くの不動産テック企業のコンサルを経験し不動産業界の変革を志す。
東京不動産大学では、不動産取引に関する情報がどこにあるのか分からず不動産取引で損する人を減らすべく、YouTubeを開設。初心者でも分かるように、不動産(主にマンション)の購入・売却ノウハウを金融や経済情勢などのトレンドを踏まえた講義が大人気。

株式会社 KIZUNAFACTORYでは、国内の仲介事業+買取再販事業を展開。仲介事業では、購入・売却・賃貸・管理と4つの領域で事業を展開。買取再販事業では、リノベにこだわり、デザイナーズリノベを取り入れた、資産価値のある不動産販売事業を展開。

会社の経営理念は【生涯のパートナー・生涯担当】。一生涯不動産取引においては、KIZUNAFACTORYを使っていただけるように会社を運営している。



【対談の背景・趣旨】

前回のインタビューでは、【日本人が海外で資産を形成するうえで気を付けるべきポイント】を両者に語っていただだきました。今回は、【実際に海外不動産投資を行う上でのイメージ】や、【弊社代表の風戸が海外不動産投資事業を始めたきっかけ】について、KIZUNAFACTORY代表の稲垣氏とともに深堀りをしていこうと思います。


海外不動産投資の印象。海外不動産投資案件は、工事が完了しない?
まずは、稲垣氏に海外不動産投資の印象について聞いてみました。

稲垣 僕が思っているのが物件が建たないっていうイメージが強いです。風戸さん、その辺りはいかがでしょうか?

風戸 実際建たないということもありますよ。5年、10年くらい前にはかなり問題になっていたプロジェクトととかもあるんですが、最近は予測できるというか、「こういう物件は建たないだろうな」とか「こういう物件はきちんと建つな」というのが予測できるようになってきていますね。


海外不動産が正しく建つかどうかを見分ける方法

プロジェクトの建つ、建たないの予測ができるようになってきたと語る弊社代表風戸。その判断基準は一体。


稲垣 もちろん御社の取扱物件は「建たない」ということはないと思いますが、どういう基準で建つ建たないを予測しているのですか?

風戸 最初に言ってしまうと、私も「建たない」物件をひとつ買ってしまったんですよ。笑 それがこういうプロジェクトはいけないんだなって自分ですごく勉強になりました。

選別をする基準はいくつかあるんですが、大前提で言えば、体力のあるデベロッパーかどうか?というところです。デベロッパーが大きいと建物を完成させる資金力があるのもひとつなんですが、一番重要なのは評判。建物を建てられなかったとかプロジェクトを途中で止めてしまったという事になると、それがローカルの評価とか海外から買う人からの評価に直結するので、大手で体力のあるところはそういった評判も気にして最後までちゃんと建ててくれるのかなと思いますね。

もう一つは、「これって建たないんじゃない」っていうぐらい、とても派手なプロジェクトっていうのはやはり建たないケースがあるんですよね。例えば大手の会社さんがやっているものであれば基本的に建ちます。でも、まだ3棟目とか4棟目とかの、他の業界では結構事業をやっていたんだけど、不動産としてはそんなに長くないような会社の場合、不動産としてのビジネスの評価をそこまで気にしない傾向があって。その中で、凄い派手なプロジェクトを。パーツがすごい、スケールモデルもすごい、ほんとにこれって建つのかな?って言う形をしていたり。そういうものはやめた方がいいのかなというのが経験則です。

なぜ、プロパティアクセスが扱う海外不動産は正しく供給されているのか
海外不動産が正しく供給されないこともある中で、プロパティアクセスが取り扱っている物件はなぜ正しく安定的に供給されているのか。その秘訣を深掘りしていきます。


稲垣 今のお話なんですが、現地で失敗されたとかそういう経験のもと目利きができるようになっていったんですか?

風戸 結局は海外の不動産って、トラブルが多いんですよね。建つ建たないだけじゃなくて、思った通りに物事が進まないとか。そういった時に頼りになるのが現地にあるチーム、会社のメンバーがトラブルを回避したりとか、トラブルになっても解決していくっていう力を持っているかのどうかっていうポイントが経験のもと分かっていったっていうことが一つ。

そして、どうやってトラブルを回避するかを一言で言ってしまうと現地のデベロッパーの偉い人と仲良くなっておくと大抵のことはスムーズに行くことが多いですね。それが直接的に工事の進捗に対する圧力になっているかはわからないですけど。


プロパティアクセスと現地企業との信頼関係
現地のデベロッパーと関係値を作っていることがリスク回避の一つであると語る風戸。その関係値はどのようにして作られたのだろうか。


稲垣 実際東南アジアの不動産を売買している日本企業というのはどれぐらいあるのでしょうか。しかもその中でプロパティアクセスさんのように現地とちゃんと関係性を持っている企業はかなり少ない印象です。

風戸 日本の企業で販売をしている会社の数はそんなに多くないです。我々はフィリピンとマレーシアで取引を行っていますけど、その両国でいうと各15から20社くらいだと思います。そして現地とちゃんとリレーションを持っている会社って5.6社しかいないと思います。

我々は後発で、実際の取引に入ってまだ2年くらいなんです。でも我々の場合は現地に受け入れられやすかった。その理由は先にローカルのチームを作っていたからですね。我々は元々取引を専門にやるために会社を作ったのではなく、海外のデベロッパーが日本の投資家さんや日本国内でマーケティングをするときに我々がマーケティングを請け負います、というためのサービスで。先にマーケティング契約を現地の大手デベロッパーのほとんどと締結していたんですよ。その中で、実際に日本のエージェントで海外不動産をちゃんと説明できる人が少ないから、我々が取引をサポートしてっていう形になったんです。

稲垣 その入り珍しいですね!

風戸 あんまりないかもしれないです。


海外不動産購入とナショナリティ
日本人が不動産を買うことは現地から歓迎されているのだろうか。日本だけでなく他の国々の場合は?また、言語が違う中でそのように取引を進めていくのだろうか。稲垣氏が風戸に海外不動産と「国」について聞いていきます。


稲垣 じゃあ逆説的にいうと、そのデベロッパーたちは割と「日本人に販売したい!」っていう感じなんですね?

風戸 そうですね。

稲垣 それは中国とかではなく日本に売りたいんですか?

風戸 中国は中国でやっぱり販売をかなりしているんですけど、単純に人口が多いのもありますが、言葉の問題が大きいです。中国の人には英語日本語話せる方もたくさんいるし、シンガポール人も中国語を話せるし。そういった方たちに販売していくのは比較的容易。一方、日本と韓国は言葉が全然違って、慣習も違って。かつバイリンガル人材が不動産にはあまりいない。そこで我々のような会社を使っていただいて、販路を広げていきたいっていうのがあります。

稲垣 欧米の人に売る、っていうのはあまりないんでしょうか?

風戸 欧米の人もあります。例えばオーストラリアの方は東南アジアが地理的近いのでよく買われています。アメリカの方だとアジア圏での基地で働いている人のように、アジアを身近に感じている人が多いです。

すごく面白いのが、フィリピンののデベロッパーってローカルチームとインターナショナルチームに分かれていて。ローカル向けの物件しか作っていなかったようなデベロッパーはインターナショナルチームの体制が整っていない。でもローカルチームの人の方も英語を話すので、この人たちがアメリカに行って、米軍の基地でセミナーをやったりするんです。それでがバンバン売れていくんですよ!「安い!安い!」って言って。

稲垣 そうですよね、日本の感覚で安いっていうならアメリカから見ると相当安いですもんね。一方のローカルチームはどのような仕組みになっているのでしょうか?

風戸 ローカルチームは、フィリピン人のチームでフィリピンの人に売るっていうことです。いわゆる日本の物販とかとほとんど一緒のイメージです。現地に住んでる人で、モデルルームにプラーっと来る人もいるし、スーモのようなポータルサイトを見ながら買いたいっていう人もいます。そのローカルチームと外国人専門に売るインターナショナルチームで別れている、という形です。

不動産というビジネスの真髄
プロパティアクセスが日本と海外不動産を繋げるビジネスを始めた裏に不動産というビジネスの真髄が垣間見えるエピソードがありました。


稲垣 風戸さんの会社はインターナショナルチームを内製化していたってことですよね?

風戸 はい。僕の会社はインターナショナル側をやっています。

なのでインターナショナルチームが率先されていたりとか、日本の提携しているエージェントやマーケティングパートナーが少ない会社に当社の現地のチームが営業をかけて、マーケティング契約をどんどん取っていって、という感じです。

稲垣 でもそれは偶発的にそうなったんですよね?

風戸 ただ最初にシンガポールで出会って一緒に会社を作ったシーラっていうフィリピン人の女性がいて。彼女はフィリピンのデベロッパーのCEOのようなクラスと仲が良かったので、「何がニーズなの?」っていうことを彼女にヒアリングしていく中で、「彼ら(=フィリピンのデベロッパーのC-level)は日本のマーケットに入っていきたいって思っている人が多かった」っていうところで、じゃあそこの領域でビジネスをやっていこうか、っていうことになって。

稲垣 なるほど。やっぱ結局は人ですね!

風戸 そうですね、この商売は人です

稲垣 面白いなと思うことが、ソニー不動産というIT不動産の最先端をやっていた風戸さんが、「でも結局は人」っていうところに行きついていて。ソニー不動産の時も風戸さんは「人」っていうのを大切にされていたんだなっていうところが僕は印象的でした。

風戸 いい話になりましたね



まとめ

・物件が建たないリスクは存在するが、そのリスクを見極める方法もある

・現地デベロッパーに体力はあるか?プロジェクトが完遂できなかった際の評判を気にしているかどうか?が重要

・プロパティアクセスは現地に内政されたインターナショナルチームがあり、問題解決力が高く、現地企業との確かな信頼関係が存在する。

・不動産という商売の真髄は「人」


少しでも海外不動産に興味を持っていただいた方は、 下記より、プロパティアクセスのエージェントとの無料相談をお好きな時間を選んで、ご予約いただけますので、お気軽にご相談ください。