2021/05/03
[マレーシア] 不動産市場コロナ禍にかなり耐えているーJLW
マレーシアの不動産市場は、過去12か月のCovid-19パンデミックにもかかわらず、地固めモードに入っており、かなり耐えている状態だと、総合不動産ソリューションプロバイダ、ジョーンズラングウートン(JLW)の副マネージングダイレクター、プレム・クマール氏は述べています。
クマール氏は、パンデミックにより、不動産市場の水面下の問題が明るみに出て、デベロッパーや政府の注目が行くようになったという点では、災い転じて福となった、と話しています。
「そのような問題の一つが、オフィスセグメントの供給過多です。いまでは、商業サイドのデベロッパーは、一二歩下がって、この重要な時期に新規のオフィス開発をやめ、もっと売れて、持続可能で、無用の長物にならないような、他の商品タイプに注力しています。」
クマール氏はまた、アフォーダブル住宅にもまた注目が集まっていると言います。当局やデベロッパー各社が、消費者、デベロッパーともに、将来の商品ラインナップと期待値という点でバランスが取れるようにするために何が必要であるかを、再び査定し、焦点を当てているからです。
クマール氏は、国家不動産情報センター(NAPIC)のレポートでは、2020年全体の不動産セクターは下がっているものの、市場はすでに2017年、2018年あたりから、すでに存在していた問題によって下降傾向にあった、と言います。取引件数が減ったからといって、何か重要なことを示すことにはならないし、崩壊の可能性が高いということを示しているわけではない、とも付け加えています。
クマール氏によると、軟弱な不動産市場の主要な原因はCovid-19そのものではなく、需要と供給の問題、そしてそれに至らしめた市場集中であると述べています。
「Covid-19は、市場がいかに汎用性があって持続可能であるかということについて、多くのステークホルダーの目を覚まさせたのです。」
「不動産市場は自ら再調整をしているところで、これにより将来、不動産市場の安定性はさらに高まるでしょう。」
今回のクマール氏の発言は、2021年4月20日に行われたバーチャルパネルディスカッションの時のものです。シンガポールやインドネシア、タイなど東南アジア5カ国で、不動産の売買・賃貸情報サイトを運営するPropertyGuruが2021年9月15日に行う、アジア・プロパティ・アワード(マレーシア)2021に関連して開催されました。
去年のアジア・プロパティ・アワードは、初となるバーチャル版で、視聴回数は516,000回を超え、75か国以上の視聴者・投資家に届きました。
NAPICは、2020年のマレーシア不動産市場は、総額1,190.8億リンギット、295,968件の取引があったと報告しています。これは、2019年と比較して、取引件数では-9.9%、取引額では-15.8%でした。
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(出所:Bernama)
(画像:Image by Waqar Hassan from Pixabay )
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