2021/05/14
[マレーシア] 2021年第1四半期のGDPはほぼエコノミストの予測通り
コロナウイルスの感染拡大抑制のための政府の制限措置が経済に与えた影響が少な目だったことは、エコノミストの予測とほぼ合致しており、多くがマレーシアの2021年国内総生産(GDP)予想を上方修正しています。
マレーシア中央銀行によると、マレーシアの2021年第1四半期のGDP成長率は0.5%でした。
スタンダードチャータード銀行は、外需がまだまだ強気なことと、移動制限の影響が消えつつあることから、2021年のGDP成長率予測を5.7%から6.3%に引き上げました。
「力強い外需に、リモートワーク環境の改善、景気刺激策の実行、世界的なワクチン接種の開始に、より範囲を絞ったコロナ封じ込め策が、成長率に活動制限が与えるダウンサイドの影響を限定的なものにしました。」
「特に、電子機器およびゴム手袋製造の堅調な外需が、飲食、輸送、宿泊サービスといったセクターの弱さを軽減する働きをしました。」
スタンダードチャータード銀行は、今後は大規模なインフラプロジェクトを含む現在進行中の景気刺激策、世界的なワクチン接種、そしてマレーシアの電子機器、ゴム手袋および産物の輸出に対する強い需要が、景気回復を支えると期待しています。
しかし、同銀行は、ダウンサイドリスクも残る、と説明しています。
「5月12日から6月7日まで政府はMCO 3.0を再実施しています。これは、消費者向けセクターの第2四半期に影響を与えてくるでしょう。しかし、経済のマイナス影響はまだ何とかなりそうです。」
一方で、JPモルガンチェース銀行は、年初のMCO 2.0の実施にもかかわらず、経済活動への影響は、比較控えめにとどまったと言います。MCO 2.0は、ほとんどのセクターの経済活動の再開を認めていたからです。
現在全国で行われているMCO 3.0のもとでの対策について、同銀行は、5月13日から始まり、1か月にわたって行われるラマダン明けの祭りを前に社会的な交流を限定するのに役立つと考えています。
「よって、Covid-19感染者数の最近の増加とゆっくりとした集団接種のペースは、国内の活動になんらかの影響があるかもしれないことは認識していますが、貿易セクターに率いられる形で、今年の残りの期間の経済の回復に向けた道のりはスムーズであると予想しています。」
JPモルガンは、2021年のGDP成長率を、緩和的かつ対象を絞った政策支援の中、中央銀行のGDP予想6.0~7.5%に入った、前期比6.8%の予想を据え置いています。
(出所:New Straits Times)
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