[マレーシア] デベロッパーの第3四半期収益落ち込む

6か月の融資返済猶予が2020年9月30日に終了し、バイヤーは不動産などの大型の買い物を控える傾向にあります。

[マレーシア] デベロッパーの第3四半期収益落ち込む


6か月の融資返済猶予が2020年9月30日に終了し、バイヤーは不動産などの大型の買い物を控える傾向にあります。


2020年第3四半期の上場不動産デベロッパーの収益は、コロナ禍での銀行の融資基準の引き締めやマージン縮小により、収縮することが見込まれています。


インターパシフィック・セキュリティーズ社のリサーチ・ヘッド、ヴィクター・ワン氏は、6か月の融資返済猶予が2020年9月30日に終了し、バイヤーは不動産などの大型の買い物を控える傾向にあると言い、予約から売上へ繋げるのに苦戦しているデベロッパー各社の収益をさらに悪化させるリスクとなると話しています。


持家キャンペーン(Home Ownership Campaign)や低金利を活用して不動産を買おうとする人は多くいますが、結局のところローンが組めるかどうかにかかっているようです。


オンラインニュース「マレーシアン・リザーブ」は、ワン氏の言葉として、バイヤーがローンを組むことができなければ、デベロッパーは売上を確保することが難しい、また国内のオーバーハング状態の物件数が多いこともデベロッパーの収益に重くのしかかると報じています。


マレーシア中央銀行の月次統計によると、2020年7月には、レジデンシャル不動産購入目的での融資の申込は299.1億リンギットでした。しかし、承認されたのはたった91.2億リンギットでした。


8月には、274.5億リンギットの申込があり、承認されたのは98.5億リンギットでした。


マラッカ・セキュリティーズ社のエクイティ・リサーチ・アナリスト、ケネス・レオン氏は、今後の動向として、バイヤーを集める目的で、デベロッパー各社はマージンを減らして販売しようとすることから、収益減を予想しています。こうした動きは、短期~中期的に、安定したキャッシュフローを確保するためだということです。


マレーシア国家不動産情報センターによると、2020年前半期のオーバーハング状態の物件は31,661戸、200.3億リンギット(約5,028億円)相当でした。2019年後半期の30,664件、188.2億リンギット(約4,724億円)と比較すると、物件数は3.3%増、金額では6.4%となりました。


サービスアパート部門のオーバーハングも上昇し、商業物件のオーバーハングの大部分を占めています。2020年前半期のサービスアパートのオーバーハングは21,683戸、186.4億リンギット(約4,679億円)で、2019年後半期の17,142戸、150.4億リンギット(約3,775億円)と比較すると、物件数は26.5%、金額では24%増となりました。


ジョホール州が、国内で最もレジデンシャルのオーバーハングが数・金額ともに多く、6,166戸、47.4億リンギット(約1,190億円)でした。数では国内全体の19.5%、金額では23.7%を占めました。


ジョホール州は、2020年前半期のサービスアパートのオーバーハングでも国内最多となり、数では国の73.7%(15,986戸)、金額では76.7%(146.7億リンギット(約3,682億円))でした。これらのオーバーハング物件のほとんどがジョホールバルにあるものでした。


データマイン・マレーシアが最近行った「イスカンダル不動産調査」では、2020年第3四半期のジョホールバルのイスカンダル・マレーシアにある高層レジデンシャル物件の中間価格は、前年同期の629,903リンギット(約1,581万円)から8.9%減の573,931リンギット(約1,448億円)となりました。平米あたり約6,210リンギット(約15.6万円)となります。


イスカンダル・マレーシアのターゲットとする市場は、中国本土およびシンガポールや香港といった国々のバイヤーです。しかし、現在実施されている渡航制限により、イスカンダル・マレーシアの高層物件については減速傾向が続き、過剰供給状態はしばらく続くだろうとレオン氏は話しています。


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(出所:The Malaysian Reserve

(トップ画像:Photo by Alfred on Unsplash )