マレーシアの不動産の市況まとめと購入する際に知っておくべきポイントを徹底解説

マレーシアの不動産を初めて購入する人にとっては、わからないことも多く、不安が多いのではないでしょうか。マレーシアの不動産を買おうと思った時に、知っておきたいマレーシアの不動産市況や日本人特有の規制、購入方法についてわかりやすく解説します。プロパティアクセスでなぜ買うべきかのポイントも参照ください。

一般財団法人ロングステイ財団の「ロングステイ希望国・地域」で、13年連続1位に輝くマレーシアは、外国人の暮らしやすさでも世界トップクラスです。そんなマレーシアの不動産市況と、購入する際に知っておくポイントを見ていきましょう。

マレーシアの不動産市況

マレーシアの不動産価格は安定的な成長を遂げてきましたが、成長の速度は減速気味です。今年前半は、コロナウイルスと感染拡大抑制のための活動制限令により市場は停滞しました。国家不動産情報センター(NAPIC)は、今年後半も市場は弱気な状態が続き、買い手市場になると予想しています。

マレーシアの不動産価格推移(年数比較)

NAPICが提供している不動産価格インデックスを見てみると、近年は大幅な上昇はないものの、緩やかに上昇を続けてきました。今年の第2四半期はコロナの影響でやや下がっています。

マレーシアの不動産価格推移(各国比較)

不動産ブームの2012年前後は対前年増減率15%弱と高い数値をはじき出しましたが、それ以降徐々に下がって来ています。継続してプラスを保っていることから、伸び率は緩やかながらも、価格は安定して伸びてきていることが分かります。

▼各国の不動産価格(インデックス)対前年増減率の推移(出所:Global Property Guide)

マレーシア

タイ

シンガポール

日本


マレーシアの不動産価格変化を見るために押さえておくべき過去の規制

2014年頃から、マレーシア政府は不動産バブル抑制のためにさまざまな規制を導入してきました。上のグラフからも、以下のような規制が効果をあらわしてきたことが分かります。

外国人の最低購入価格の引き上げ

低所得、中所得層のマレーシア人向けの不動産を外国人が「取り上げてしまう」ことがないように、外国人が購入できる不動産の最低ラインが引き上げられました。たとえば、クアラルンプールの場合だと、50万リンギット(約1,300万円)から2倍の100万リンギット(約2,600万円)となりました。

DIBSの廃止

DIBS(Developer Interest Bearing Scheme)とは、建設期間中、デベロッパーが金利の支払を負担するスキームで、住宅購入コストを下げる目的で導入されていました。しかし、元手を低く抑えて物件を購入するためにスキームを利用する投機家が出てきたことから廃止されました。

・銀行融資の引き締め

2010年から導入されたこの中央銀行の政策では、3軒目以降のレジデンシャル購入時の住宅ローンの借入限度であるLTV(物件価格の何%まで借り入れをすることができるか)を最大70%と限定することで、投機的なレジデンシャル購入の抑制を目的としています。これ以外に、投資目的での購入、既存の住宅ローンがある等の背景がある場合に、市中銀行も融資の引き締めを行ってきました。

・不動産譲渡益税の引き上げ

2010年以降、政府は徐々に不動産を売却する際の譲渡益に対する課税の税率を引き上げてきました。特に2014年には、それまで1~2年で処分する際に課せされていた15%が、1~3年で処分する場合には30%と約2倍に引き上げられました。2019年には6年目以降に処分しても5%(外国人は10%)が課せられるようになりました。


日本人がマレーシアの不動産を購入する上で知っておきたいこと

マレーシアは比較的自由に不動産の購入・所有ができます。気を付けたいのは、購入価格の最低ラインが州によって決まっていることと、州政府の合意が必要なことです。

そもそも所有することができるのか

マレーシアは、外国人の不動産所有が自由な国です。以下を除けば、基本的にはどのようなタイプの不動産でも所有ができます。他の東南アジア諸国では、外国人に土地の所有を認めていませんし、外国人が所有できる不動産の割合を定めている場合があります。

・州によって定められた外国人最低購入価格未満の物件(多くの州では100万リンギット)

・Malay Reserved Land (マレー人専用の土地)に建設された物件

・州政府が定める低所得層・中所得層向け住宅

・ブミプトラ政策(マレー人優遇政策)により州政府がマレー人に割り当てた物件


外国人がマレーシアの不動産を購入する際の規制

①外国人最低購入価格

外国人が購入できる不動産の最低価格です。州によって異なります。たとえば、連邦直轄領クアラルンプールでは100万リンギット(約2,600万円)となっています。2020年は、完成済みでありながら売れ残っている物件のオーバーハング状態改善のため、100万リンギット→60万リンギット(約1,560万円)と購入価格が引き下げられていますので、購入する物件の選択肢が広がっています。


②州政府の合意

購入しようとしている物件が位置する州の政府から合意を得る必要があります。こちらは弁護士を通して申請し、通常は2~3か月要します。

ビザは必要かどうか

ビザがなくても不動産の購入は可能です。しかし、マレーシア長期滞在ビザ(MM2H)*を持っていると、ローンが組みやすかったり、不動産の最低購入価格の要件が州によっては低めに設定されていたりします。
*2020年8月より、制度見直しのため新規発給が停止されています


どこのデベロッパーが信頼できるか

これらのデベロッパーは、複数のプロパティサイトのデベロッパーランキングでも上位に食い込んでいる、実績あるデベロッパーです。これ以外に、日本の不動産会社と提携したプロジェクトも、日本企業がそのデベロッパーと提携するにふさわしいと判断したことを考えると安心でしょう。

IOI Properties(IOIプロパティーズ)
2019年売上高:22億リンギット(約572億円)

IOIプロパティーズは1975年、Lam Soon Huat Developmentという小さな会社からスタートしました。1994年に社名変更して現在のIOIプロパティーズとなっています。

1990年、バンダル・プチョン・ジャヤプロジェクト、その後間もなくして、バンダル・プテリ・プチョンプロジェクトというタウンシッププロジェクトを立ち上げています。

IOIプロパティーズの最も有名なプロジェクトは、プチョンのIOIモールで、現在でもマレーシア首都圏で最大のモールとなっています。1996年に開店し、静かだったプチョンの近代化を加速させ、現在のような姿へと変貌させました。

その他の主要プロジェクトには、セランゴール州セパンのIOIリゾート・シティ、16シエラ、ワリサン・プテリ、バンダル・プテリ・バンギなどもあります。

Mah Sing Group(マーシン・グループ)
2019年売上高:18億リンギット(約468億円)

 マーシン・グループが不動産開発に着手したのは1994年、現在までにマレーシア全土で47プロジェクト、売上39,000戸の実績があります。

最初のタウンシップ開発は、2000年に販売開始した、ジョホール州スクダイのスリ・プライ・プルダナです。ジョホール州初のゲート&ガード付のリンクホーム(一軒家のように見えるが地下や基礎部分がつながっているもの)として注目を集めました。さらに2012年、同グループは、家族向けのグリーンなエリア開発として、ゲート&ガード付のタウンシッププロジェクトであるサウスヴィル・シティを立ち上げました。

現在進行中の主要プロジェクトには、クアラルンプール内チェラスのM ヴェルティカ、スントゥルのM セントゥーラ、ラワンのM アルーナがあります。

UEM Sunrise(UEMサンライズ)
2019年売上高:29億リンギット(約754億円)

UEMサンライズは、UEMグループとカザナ・ナシオナルのタウンシップおよび不動産開発事業を行うフラッグシップ会社です。UEMグループは、カザナの100%子会社で、マレーシア政府の投資ファンドです。

大規模タウンシップ、高層レジデンシャル、コマーシャル、リテール&総合開発を得意とし、不動産管理やプロジェクト管理・建設サービスも手掛けています。イスカンダル・マレーシアの5つの旗艦ゾーンのひとつ、イスカンダル・プテリのマスターデベロッパーです。

Eco World Development Group(エコワールド・デベロップメント・グループ)
2019年売上高:25億リンギット(約650億円)

エコワールド・デベロップメント・グループは、不動産開発を主に行うマレーシアの上場企業です。タウンシップ、総合商業開発、高級高層レジデンシャル、グリーンビジネス地区など、マレーシアの3つの主要な経済地区に20件の開発プロジェクトを抱えています。

同社が抱える土地は約33平方キロメートル、総開発費は875億リンギットに上ります。エコワールド・インターナショナル社を通じて、英国ロンドン、オーストラリアのシドニーおよびメルボルンにもその事業を広げています。

Sime Darby(サイム・ダービー)
2019年売上高:32億リンギット(約832億円)

サイム・ダービーは、1974年以来マレーシアの不動産開発シーンのキープレイヤーとして活躍してきました。最も有名なのは1974年に始まった、スランゴール州スバンジャヤの開発です。

USJ、プトラ・ハイツ、ブキット・ジェルトン、アラ・ダマンサラなどの開発で成功を納め、スバンエリアでは独占的なデベロッパーです。

現在は、約81平方キロメートルの土地を抱え、総開発費は880億リンギットに上ります。シンガポール、ベトナム、オーストラリア、英国などの不動産事業にも参入しています。

SP Setia(SPセティア)
2019年の売上高:39億リンギット(約1,014億円)

SPセティアの歴史は70年代に遡ります。バンダル・キンララ・バンダル・バル・スリ・ペタリン、セティア・アラム、セティア・エコパークなどの開発で大きな成功を収めてきました。

2020年末までに複数プロジェクト、総開発費約22億リンギットを立ち上げることを発表しています。現在、中所得層向けの土地付き物件に力を入れており、プロジェクト46件が進行中です。海外では、英国、中国、日本、ベトナム、シンガポール、オーストラリアでプロジェクトを行っています。

マレーシアには数多くのデベロッパーが存在しますが、その中にはライセンスがないまま営業していたり、建設工事を途中で放棄してしまったりするデベロッパーもいます。そういったデベロッパーのブラックリストは、住宅・地方政府省のウェブサイトに掲載されています。

マレーシアの物件の購入方法

まずは、購入する物件を選定し、購入にかかる諸費用を押さえたうえで、資金調達法を決めていきます。

購入するマレーシアの不動産の特徴

①プレビルドと完成済み

プレビルドとは、プレ(前)+ビルド(建設)という名の通り、物件本体が完成する前に販売される物件のことです。デベロッパーから購入することになります。完成済みには、完成後売れていないものと、すでに所有者がいて中古物件として購入するものがあります。

②フリーホールドとリースホールド

不動産の所有権の形態です。フリーホールドとは、永久所有権を指し、政府の干渉なく、土地が所有者に完全に帰属することを言います。コンドミニアムなどの高層レジデンシャル物件の場合、コンドミニアムユニットの購入者はレジデンシャル物件の持分を得るのみで、デベロッパーが土地の所有権を持ち続けます。リースホールドは、期限付き借地権を指します。政府が土地を所有し、所有者は30年、60年、99年、999年といった長期間で政府から借り受けます。フリーホールドより価格が安く設定されていたり、デベロッパーが物件により魅力的な設備や特徴を加えたりすることがあります。


購入にかかる諸費用

不動産購入にかかる諸費用は物件価格に応じて決まってきます。たとえば、100万リンギットの物件を購入する場合、購入にかかる諸費用は物件価格の3.3%程度(下記のアドバイザリー・コンサルティング手数料除き)です。売却時には、不動産譲渡益税についても知っておく必要があります。

①印紙税(買い手負担)

物件価格に応じて料率が決まっています。売買契約の締結時に支払が必要です。

物件価格

料率

最初の100,000リンギット

1%

100,001~500,000リンギット

2%

500,001~1,000,000リンギット

3%

1,000,000リンギットを超える部分

4%

②弁護士費用

弁護士の報酬規則があり、こちらも物件価格に応じて決まってきますので安心です。

物件価格

弁護士費用

最初の500,000リンギット

1%(最低500リンギット)

500,001~1,000,000リンギット

0.8%

1,000,001~3,000,000リンギット

0.7%

3,000,001~5,000,000リンギット

0.6%

5,000,000リンギット超

0.5%

7,500,000リンギット超

交渉可(0.5%を超えない)

③不動産エージェント費用

不動産エージェント費用は、マレーシア評価人、鑑定人および不動産仲介業者委員会(Board of Valuers, Appraisers and Estate Agents Malaysia (LLPEH))により定められています。売買の手数料は最大3%は、通常売り手負担となりますが、買い手にチャージされることもあります。一件当たり1,000リンギットが最低料金として課されます。 日本語での対応や購入サポートを日本の会社に依頼する場合、アドバイザリー手数料やコンサルティング手数料として、一般的に5%ほどが発生します。

④不動産譲渡益税(売り手負担)

こちらは中古物件として売却する際の譲渡益税です。物件の取得から処分までの期間に応じて、法人か個人か、またマレーシア人か外国人かで税率が変わってきます。


購入するために使えるローン

外国人でもマレーシアにある銀行のローンが使えます。CIMB銀行やUOB銀行では、外国人向けの住宅ローンの取り扱いがあります。銀行も審査が厳しくなってきており、マレーシア在住でない外国人のLTV(物件価格の何%まで借り入れをすることができるか)は50%~70%と低めです。MM2H保有者は、80%ほどまで借りることもできるようです。ある程度の資金の余裕が必要になってきます。

そのほか日本人が気を付けるべきポイント

・日本からの送金

日本からマレーシアに送金する際、送金手数料はもちろん、送金時にどのような為替レートが適用されるかも調べてみましょう。送金手数料が安くても、使用される為替レートの設定が高めだと、トータルでは高くつく場合があります。

・外国人最低購入価格

前述のとおり、州によって設定が異なります。また、MM2H保有者には緩和された価格が設定されていることもあります。同じようなエリアにある物件でも管轄の州が異なると、最低購入価格が異なることがありますので注意が必要です。


賃貸や売却といった出口戦略

マレーシアでは、需要と供給のミスマッチによりオーバーハング状態の物件が多く存在しています。2016年をピークに徐々に減少していますが、エリアによっては高い状態が続いています。マレーシア不動産は、とにかく立地が大切です。日本人が購入する物件は、一般のマレーシア人には手が出ない場合が多いので、外国人の駐在員やロングステイ者をターゲットに出口戦略を考えていくことになります。前述の譲渡益税にも注意しながら、長い目で考えていくことが必要です。

プロパティアクセスで買うメリット

現地をよく知る現地スタッフと日本人スタッフによるトータルサポートで安心です。


プロパティアクセスでマレーシアの不動産を購入するメリット①

現地スタッフ+日本人スタッフトータルサポート。現地スタッフのタイムリーな現地情報と、日本人スタッフのきめ細かな日本語でのサービスで、不動産購入をお手伝いします。


プロパティアクセスでマレーシアの不動産を購入するメリット②

マレーシアの主要エリアをおさえています。クアラルンプールを中心に、ペナンやジョホールの物件もご紹介が可能です。


プロパティアクセスでマレーシアの不動産を購入するメリット③

百聞は一見にしかず、視察ツアーのアレンジが可能です*。インターネットで情報を集めることが容易になった現在ですが、弊社スタッフが同行して、物件の周辺エリアの雰囲気や部屋の様子を実際に確かめていただくことができます。

*コロナによる渡航制限のため、現在は行っておりません。


まとめ

コロナの影響を受けて今年後半も減速が見込まれるマレーシア不動産市場ですが、外国人の不動産購入最低価格の引き下げなどの施策が取られていますので、お得に購入ができるチャンスでもあります。物件の購入にかかる費用などもおさえたうえで、出口戦略を見据えながら、物件選びをしていきましょう。