2021/03/31
マレーシア不動産投資の実態を解説!空室リスクやキャピタルゲインについて
マレーシア不動産投資は、日本でも一時期ブームとも言えるほど広がった一方で、工事の中止による未竣工物件や、引渡し後の不具合発生などトラブルも多く見られました。現在のマレーシアには、どのような不動産会社があるのでしょうか?
2021年までで弊社が取引しているのは、例えば以下のようなデベロッパーです。
エコワールド
パンアンドタウンデベロップメント(MJとJVしている)
トロピカーナコーポレーション
UEMサンライズ
ビーナスアセット
例えばパンアンドタウンデベロップメントは三菱地所と共同事業を行うなど、最近では日本の不動産会社と共同プロジェクトを組む不動産会社も増えています。
日系企業が開発に入っているプロジェクトでは、竣工リスクも下がります。
マレーシア不動産投資で不動産会社を見極めるポイントはどこにあると思われますか?
弊社が取引しているのは、いずれもマレーシア現地で上場している不動産会社です。
実績や規模感を把握した上で不動産会社を選ぶのがポイントと言えます。
なお、他の国との比較で言えば、マレーシアのデベロッパーは、例えばフィリピンの会社よりも信頼性が高いと考えています。
マレーシアの不動産市場では数年間にわたって物件の供給過剰が起きていますが、今からマレーシア不動産に投資するとしたら、利益を拡大するためには、どのような戦略が有効と考えられますか?
2020年にはオーバーハング(売れ残り)の物件がなくなると見られていたのですが、コロナの影響で、むしろオーバーハングが増えてしまいました。
個人的な見立てではありますが、マレーシアのマーケットは、今の状況が改善されるまでにもう1〜2年はかかると思います。
このため、2021年の今からマレーシア不動産に投資するのであれば、最低でも3年〜5年は寝かせる前提で考えるほうがいいでしょう。
ただ、売れ残りが増えている状況から、物件を値引きしているデベロッパーも多いです。
今後のキャピタルゲインを見越して投資するのも1つの戦略だと思います。
マレーシアでは、外国人はRM100万以上の物件しか購入できませんが、政府の統計を見ると、クアラルンプール特別区では特に、RM100万以上の物件も多数取引されている様子が伺えます。クアラルンプールで高額な不動産を購入しているのは、主にどのような人なのでしょうか?
マレーシアは、もともと中国系の華僑もいる国なので、中国系の人が多いと思います。
あるいは、タイとの国境に近いランカウィなどは、欧米系の人が購入しているケースも多いです。
マレーシア不動産投資(特にクアラルンプール)では、主にどのような人が入居者ターゲットになるのでしょうか?
クアラルンプールの中でもエリアによりますが、欧米系の駐在員が多いです。
ただ、モントキアラなど日本人街では、日本人も含むアジア系の外国人もターゲットになります。
マレーシアでは、これまで外国人が主な入居者ターゲットでした。
しかし、最近の実態としては賃料も下がっているので、現地のマレーシア人もターゲットになり得ると思っています。
マレーシアでは、入居者募集はどのようにして行うのでしょうか?
iPropertyなど、賃貸住宅のwebサイトがあるので、そういったところに情報を掲載して募集することが多いです。
マレーシアでは、入居者募集に関してコロナの影響はありますでしょうか?
2021年の1月8日から3月9日にかけて、クアラルンプールではロックダウンがあったので、その間は外国人の渡航が制限されていました。
このため、外国人の帰国に伴う空室といった影響はあります。
また、入居者募集に限らずマーケット全体への影響で言えば、在庫を減らしたい希望から、中低所得者向けの物件販売に注力するデベロッパーが増えている状況です。
フィリピン不動産投資に関しては、AirBnbによる民泊運用について解説する情報もよく見かけますが、マレーシアでは民泊運用はできるのでしょうか?
行政による規制などは特にないので、マレーシアでも民泊運用は可能です。
ただし、コンドミニアムの管理組合によっては、人の出入りが増えることを敬遠して民泊を禁止しているケースもあります。
特にハイエンドの物件では、民泊を禁止する傾向が強いです。
外国人に対する物件購入価格の規制がある中では、最終的に物件を売却するときの売却先も限られてきます。規制がある中で物件を売却するとしたら、売却先のターゲットはどのように考えるのが妥当でしょうか?
コロナの影響が強い2021年時点では、マレーシア不動産投資に積極的な投資家は少ないのが実情で、今すぐに物件を売却というのは考えにくいと思います。
また、マレーシアでは、外国人投資家に対してRM100万以上の物件しか買えない規制がありますが、中古の物件にも規制が適用される点に要注意です。
ただ、案件によっては規制が緩和されるものもあるので、購入時点でそういった物件を探すといいと思います。
例えば、タイでは2020年秋からコンドミニアムが値下がりしており、フィリピンでも急激な値上がりと値下がりが起きました。マレーシア政府が発表している住宅価格指数の動向を見ると、マレーシアのコンドミニアムは、この10年で約2倍まで値上がりしてきた一方で、2020年にコロナが拡大し始めてからは高止まりしている状況です。
今は踊り場で再び上がり始めるか、調整局面に入るのか、コロナの状況次第なところもありますが、マレーシア不動産はまだ値上がりしていくと思われますか?
確かに、政府の統計では値上がりしているように見えますが、売れ残りも多いマーケットの実態としては、ディスカウントによって物件価格が安くなることも少なくありません。
結果的に、周辺の国よりも安く物件を買えるケースも多いです。
また、経済成長や人口増加といった背景があるので、物件の供給調整が終われば、マレーシア不動産が値上がりする可能性は高いです。
今後現地の高所得者層も増えると予測されていますし、伸び代は十分あると思います。
不動産投資でキャピタルゲインを狙うためには、物件のメンテナンスも重要な要素です。マレーシアでは、コンドミニアムのメンテナンスはどのように行われているのでしょうか?
マレーシアのコンドミニアムでは、管理組合を組織することや管理費の拠出義務について売買契約書に明記されています。
共用部の管理を管理組合から管理会社へ委託するという点では、日本と大きな違いはありません。
なお、管理会社は売主によって指定されていることが多いです。
マレーシア不動産投資で利用できるローンについては、どのようなものがあるのでしょうか?
マレーシア不動産投資では現地の住宅ローンも使えます。
具体的な銀行としては、メイバンクやHSBCなどが挙げられます。
マレーシアでは、2021年時点ではコロナで政策金利が1.75%まで下がっているので、どちらの銀行でも金利3%台でローンを利用可能です。
ただ、マレーシアの銀行は金利が下がっているといっても、日本の銀行で国内の不動産を担保にできるなら、日本の銀行のほうが金利を抑制できます。
このため、すでに日本国内で投資している実績を持たれている方には、日本国内でのローン利用をお勧めしています。
注意すべきマレーシア不動産投資特有のリスクがあれば教えてください。
マレーシア不動産投資特有のリスクは、やはり物件の供給過多が起きているマーケット状況です。
今後、コロナで売れ残りが増えてしまったこともあり、コロナが収束する時期によって状況は大きく変わると思います。
2021年時点では、物件の供給過多や外国人向けの規制などから、マレーシアの不動産マーケットに対して後ろ向きのイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし、政府も対策に乗り出す中でマーケットの状況は次第に改善されつつあります。
コロナが収束すれば、マレーシアの不動産マーケットは正常化される見通しです。
なお、国全体の人口増加や経済成長といった背景は、不動産のマーケットが崩れていた近年でも変わりありません。
マーケットが正常になれば、今後マレーシア不動産投資で利益を拡大できる可能性は大きいです。
物件と不動産会社を厳選できれば、マレーシア不動産投資は有効な選択肢の1つと言えます。
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