[マレーシア・シンガポール] ジョホール-シンガポール経済特区の覚書に署名

2024/02/01


ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)計画は、マレーシアとシンガポール間の覚書(MoU)調印により、具体化しつつあります。



マレーシアとシンガポールは2024年1月11日、マレーシア南部のジョホール州に経済特区(SEZ)を共同開発することで合意しました。両国は、再生可能エネルギーに関する協力や、ビジネス承認から国境通過までの手続きの円滑化を目指し、本格的な協定に向けて取り組むと、共同声明で述べました。



マレーシアのアンワル・イブラヒム首相とシンガポールのリー・シェンロン首相は、マレーシアのラフィジ・ラムリ経済相とシンガポールのガン・キム・ヨン貿易産業相による覚書調印に立ち会いました。



アンワル首相はまた、マレーシアとシンガポール間の高速輸送システム・リンク(RTSリンク)の完成式典に出席したリー首相とその代表団のために昼食会を催しました。RTSは、建設費推定100億リンギット(22億ドル)プロジェクトです。2026年末までに完成すれば、世界で最も混雑する陸路のひとつである両国をつなぐコーズウェイの交通渋滞を緩和することになります。



JS-SEZは、ジョホール州とシンガポール間の貿易をさらに促進し、経済特区の成功例である中国の深圳市のように繁栄することが期待されています。



両国は、東南アジア地域が世界的な経済減速に対抗しようと努力する中、より強力なビジネス関係を育み、両国間の接続性を向上させるために、シンガポール国境に隣接する経済特区を創設するために手を取り合おうとしています。



JS-SEZは、昨年5月にイスカンダル・プテリで行われたジョホール州政府との会議の後、ラフィジ経済相によって発案され、両国はその2ヵ月後(7月)に経済特区の設立を検討する特別タスクフォースを設置することで、さらなる一歩を踏み出すことに合意しました。



この経済特区は、イスカンダル・マレーシア地域とシンガポール双方のビジネス・エコシステムを改善することも期待されています。



経済特区がターゲットとする分野は、エレクトロニクス、金融サービス、ビジネス関連サービス、ヘルスケアなどです。



昨年、ジョホール州は様々な分野で706億リンギットの外国投資を確保しました。うち、シンガポールは投資額では第2位で、ジョホール州の製造業の外国直接投資額の約70%はシンガポールによるものです。




(出所:マレーシア首相府Reuters

(画像:UnsplashのAfifi Zulkifleが撮影した写真)