[フィリピン] Pogo消える―マニラのオフィス需要は前半期74%減

2020年前半期、マニラのオフィススペース需要はなんと74%減少しました。オンラインゲーミング事業者(POGO)が、コロナウィルスのパンデミックの中、脱フィリピンを始めたからです。

[フィリピン] POGO消える―マニラのオフィス需要は前半期74%減


2020年前半期、マニラのオフィススペース需要はなんと74%減少しました。オンラインゲーミング事業者(POGO)が、コロナウィルスのパンデミックの中、脱フィリピンを始めたからです。


不動産コンサルタント会社リーチュウ・プロパティ・コンサルタンツ(LPC)のレポートでは、2020年3月~6月の間に、POGOが引き払ったオフィススペースは48,000㎡になると述べています。同時期に空室に転じたオフィススペース89,000㎡の54%を占めることになります。


また需要サイドでも、2020年4月~6月の期間のPOGOによる需要はゼロでした。LPCによると、同期間に行われた取引は77,000㎡、うちほとんどが、情報技術ビジネスプロセスアウトソーシング(IT-BPM)で42,000㎡を占めたということです。


2020年前半期の取引量は、234,000㎡となり、昨年の取引量885,000㎡から大きく落ち込みました。そのシェアにも変化が起こっています。POGOは、昨年の40%から今年12%まで減少しました。IT-BPMは、昨年の41%から今年40%とほぼ変わらずでした。従来のオフィスは、昨年の19%から今年は48%と大きくシェアを伸ばしました。


LPCは、2020年通年のオフィススペース取引予測について、当初の80万~100万㎡から、60万~80万㎡へと下方修正しました。LPCのデイヴィッド・リーチュウ社長兼CEOは、フィリピンのオフィス市場は、昨年からはぐっと減るものの、新規リースを獲得し続ける「世界でもユニーク」な市場だと述べています。


リーチュウ氏は、「フィリピンのオフィスは、まだ収縮ポイントには突入していない」と述べる一方で、IT-BPMとPOGO両方のセクターに、オフィス市場の成長を加速させるためのサポートが必要であると加えています。


コロナウィルスの感染拡大封じ込めのために政府が3月以降ロックダウンを行うにあたって実施された税務上の規制と活動制限によって、POGOの成長は足止めされました。


しかし、LPCは、今後、48.2万㎡のオフィス需要があると予想しており、うち68%をIT-BPMとPOGOが占めると見込んでいます。また約32.3万㎡(67%)がメトロマニラ内です。


レジデンシャルについては、LPCによると、メトロマニラのコンドミニアム市場で取引活動が見られたものの、隔離措置により第2四半期に立ち上がった新規プロジェクトはなかったということです。


LPCは、デベロッパー各社が様子見の状態に入っていると言います。売上は、前期比ベースで落ち込み、1月~3月期は36%減、4月~6月期は0.2%増とほぼ横ばいの状態を保ちました。


メトロマニラの供給は、現在23,379戸で、うち86%が中流階級向けとなっています。


LPCは、第2四半期、中流階級向けの販売は、国内外での失業を背景に落ち込んだものの、高級価格帯の販売が35%増となり一部オフセットされた形となりました。


LPCはまた、大手デベロッパーが、中心業務地区の資本価値が5%~10%ほど軟化しているにもかかわらず、プライマリー、セカンダリーともに価格レベルを下げない代わりに、現金ディスカウント、予約料や頭金の引き下げ、柔軟な支払スキームなどで対応して需要を刺激しようとしています。


ハイエンドのゲーテッド・コミュニティに物件を持つオーナーのほとんどは、資本保全のために物件を手放さずにいるようです。安い価格で売りに出すオーナーは、すぐに現金を必要としている場合が多いようです。


観光業については、LPCは、旅行先が陸続きのルソン島を中心とした国内旅行者から回復が始まると見込んでいます。


ネガティブ感はあるものの、LPCは、インフラプロジェクトやインフレ率の抑制など、今後6~12か月間で、様々な要素が重なって、フィリピンが素早い回復を見せることに楽観的な見方をしています。


(出所:Business World Online

(トップ画像:LYCS Architecture on Unsplash )