[フィリピン] マニラのオフィススペース需要コロナ前レベルにはまだ遠い

2024/02/15


不動産サービス会社のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールドは、フィリピンを含むグローバルオフィスの需要がコロナ前のレベルに回復するには「まだ遠い」と述べています。



同社のディレクター兼リサーチ責任者であるクラロ・コルデロ氏は、アウトソーシング需要の高まりは入居者の需要を刺激し、そのペースは緩やではあるものの、既存の中心ビジネス地区における全体的な空室率は改善するだろう、と述べました。



「リモートワーク制度を認める新しい法律に関する現在の混乱を明らかにする必要があります。IT-BPM企業の事業拡大の決断をさらに遅らせることになるからです。このような将来の拡大計画は、地元市場におけるオフィススペースの吸収を刺激するからです。」とコルデロ氏は述べています。



「大企業の入居者が長期的な不動産戦略を描くにつれて、持続可能な建設手法と不動産管理に対する需要が具体化しています。質の高い開発に対する需要は、健全な入居者需要を確保する効果的な方法としての、柔軟性の高い建築システムと持続可能な不動産管理手法に対する需要をさらに際立たせることになるでしょう。」とコメントしています。



同社によると、2023年のマニラ首都圏のオフィス不動産市場は、回復局面にあります。



マニラ首都圏の家主の大半は賃料を据え置きましたが、市場の空室率が高止まりている結果、一部の家主は2023年第4四半期の賃料を若干引き下げ、平均募集賃料は前期の1平方メートル当たり月額1,042ペソから1.8%減の1,023ペソとなりました。



「第4四半期の高級オフィス全体の空室率は16.3%で、前期の16.8%からわずかに低下しました。2024年前半には大量のオフィス・スペースが完成予定であること、またIT-BPMセクターがより柔軟な働き方で活動できるような法改正案が提案されていることから、空室は増加すると予測されます。」と同社は述べています。



コルデロ氏は、大規模な投資取引が完全に回復するにはまだ時間がかかると述べました。この背景には高金利があると言います。



「マニラ市場のオフィス空室率は、短・中期的な新規竣工のバランスと、ほとんどのグローバル企業が規模の適正化の取り組みを継続していることから、歴史的な高水準が続くでしょう。」



一方で、同社は、2023年に遅れていた取引が今年上がってくることが予想されるため、オフィスの空室率はまだ改善する余地があると見ている、と述べています。




(出所:Business Mirror

(画像:UnsplashのRobin Kutesaが撮影した写真)