2024/02/12
フィリピンのセブ島ホテル・リゾート・レストラン協会(HRRAC)は、観光客数と客室稼働率の上昇に楽観的な見方を示しています。
HRRACのアルフレッド・レイエス会長はメディアに対し、中国や日本など重要な海外市場からの観光客がパンデミック以前のレベルに完全に回復していないため、今年は国内観光が最も成長する可能性があると述べました。
「2024年は2023年よりも有望でしょう。誰もが2024年に期待しています。トレンドは上昇傾向にあり、2024年は観光客数と宿泊率において昨年をはるかに上回ると大いに期待しています」とレイエス氏は語りました。
レイエス氏によると、中国および日本からの観光客が戻っていないことが、フィリピンが外国人観光客をさらに増やすことを妨げているとしています。
また、インドなど、中国に取って代わることができる有望な市場へのアクセスのしやすさやビザ不要措置がないといった他の課題も挙げました。
一方で、韓国市場はすでにコロナ前の2019年の水準の60%に達していることから、韓国市場が大きな役割を果たしているとも述べています。
フィリピン観光省は、2023年、外国からの観光客数が目標の480万人を約65万人も上回る上回る545万人を記録したことで、2024年は770万人の外国人観光客の誘致を目指しています。
2023年の外国人観光客からの観光収入は4,800億ペソ(約1.28兆円)を超えました。
2023年にフィリピンを訪れた外国人観光客は、国別でみると、韓国がトップ(1,439,336人)、続いてアメリカ合衆国(903,299人)、日本(305,580人)、オーストラリア(266,551人)、中国(263,836人)でした。
そのほか、カナダ、台湾、イギリス、シンガポール、マレーシアからの観光客も多く見られました。
レイエス氏は、西フィリピン海における地政学的緊張が続き、日本経済が課題に直面する中、国内市場が依然として主要な成長ドライバーであると強調し、キャンペーンを強化して、国内観光を奨励する必要があると述べました。
2023年、セブのホテルおよびリゾートの平均稼働率は60%でした。
マクタン島のホテルでは、外国人客が60%・フィリピン人客が40%だったのに対し、市内のホテルでは、フィリピン人客が60%・外国人が40%と、逆の傾向が見られました。
2019年、フィリピンを訪れた外国人観光客は820万人で、うち韓国からのは198万人、中国は174万人でした。観光客からの観光収入4,821億5,000万ペソ(約1.28兆円)でした。
HRRACは、アジア諸国の中でフィリピンの競争力を高めるため、中国とインドからの旅行者にe-Visaを推進するクリスティーナ・ガルシア・フラスコ観光省長官の取り組みを全面的に支援しています。
2023年8月、外務省と司法省はe-ビザを導入しました。
e-ビザは、観光や商用で入国する外国人が、パソコン、ノートパソコン、携帯端末を通じてリモートで短期滞在ビザを申請できるようにするものです。
中国向けe-Visaシステムは2023年8月に試験運用が開始されましたが、12月1日、外務省は中国におけるフィリピンe-Visaシステムの運用を追って通知があるまで停止しました。インドについては、政府の承認待ちです。
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(画像:UnsplashのJosephus Bajoが撮影した写真)
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