2024/03/11
不動産総合コンサルティング会社ナイトフランク社が発表したところによると、2023年の高級住宅不動産価格の上昇率ではマニラがトップでした。
ナイトフランク社が2024年3月5日に発表した「The Wealth Report」によると、2023年の高級住宅地価格は、マニラやドバイなどで2桁の上昇、ニューヨークやロンドンでの下落を相殺したため、価格下落のトレンドに逆行して3.1%の上昇となりました。
昨年は、借入コストの上昇、インフレ、景気の不透明感が不動産市場を直撃し、取引量が大幅に減少しました。このような取引量の減少が、株式市場の回復に伴う富裕層のポートフォリオの増加とともに、高級物件の価格を下支えしたとナイトフランクは述べています。
ナイト・フランク社が発表するインターナショナル・レジデンシャル・インデックス(PIRI)は、100の市場における高級住宅価格のパフォーマンスを追跡するものです。
このうち、フィリピンの首都マニラの価格が26%上昇しトップ、次いでドバイが15%、バハマが15%上昇しました。一方で、ニューヨークとロンドンの高級住宅価格は2023年に2%下落し、現在それぞれ直近のピークから8%、17%下落しました。
ナイト・フランクのグローバル調査責任者は、「2023年に富のポートフォリオが回復するにつれ、富裕層の購入者は世界の高級品市場の住宅用不動産をターゲットにした」と述べています。また、パンデミックに後押しされた不動産ブームは、借入コストが15年ぶりの高水準に達したため、泣く泣く終焉を迎えることになったが、価格については「かなりのソフトランディング」だと指摘しています。
レジデンシャル不動産とは異なり、商業不動産は厳しい状況です。在宅勤務のトレンドが空室率を押し上げ、借入コストの高騰がオフィスビルの価値を直撃しているためです。ナイト・フランク調べでは、2023年の世界の商業用不動産投資は、主に米国の投資家による買い戻しによって46%減の6,980億米ドル(約102兆円)に落ち込みました。
ナイト・フランクによると、オフィス市場の割合が2022年の25%から22%に縮小する一方で、産業・物流不動産市場がオフィス市場を上回り、史上初めて世界全体の投資額の4分の1を占めました。2023年に最も積極的な買い手であった個人不動産投資家は、2024年には市場の「混乱」を利用しようと買い付け活動を活発化させるようだと、ナイト・フランクは述べています。
(出所:Knight Frank)
(画像:UnsplashのAlyssa Castorが撮影した写真)
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