2019/05/28
ペナンの投資環境と新規プロジェクト2019年(1/2)
■マレーシアの不動産市場2018年まとめ
2018年の不動産市場は徐々に回復し、わずかながら上昇がみられました。
マレーシアの国家不動産情報センター(NAPIC)のレポートによると、不動産部門は2018年、1400億3300万リンギット、313,710件の取引がありました。2017年と比較すると、取引量は0.6%増、取引額は0.3%増になりました。レジデンシャル不動産が全体の不動産市場を支えており、62.9%のシェアを占めています。それに続くのが農業用不動産で、21.5%でした。
(出所:NAPICを元にPropertyAccess.co作成)
レジデンシャル
2018年、レジデンシャル部門は197,385件の取引があり、取引総額は687.5億リンギットでした(前年比:取引量+1.4%、取引総額+0.4%)。州によって結果は様々で、クアラルンプール、ジョホール、ペナンといった主要な州はそれぞれ+6.8%、+7.8%、+3.0%、一方でセランゴールは減少し-0.4%でした。
2018年の新築物件発売数は、66,040ユニットで前年比-14.9%となりました(2017年:77,570ユニット)。州別に見ていくと、クアラルンプールやセランゴールといった主要な州では、それぞれ-56.1%、-9.9%となりました。一方でジョホールは、2017年と比較して+17.3%となりました。
販売実績状況は穏やかで、全体で34.6%でした。コンドミニアムおよびアパートが、新規発売の中でも最多を占め、36.8%となりました。続いて2階から3階建のテラスハウスで29.0%となりました。
レジデンシャルの在庫停滞状況は続いており、32,313ユニット(前年比+30.6%)、総額198.6億リンギット(前年比+27.0%)となりました(2017年:24,738ユニット、総額156.4億リンギット)。
高層レジデンシャル住宅(コンドミニアムおよびアパートメント)がその大部分を占めており、在庫停滞全体の43.4%、14,031ユニットとなっています。在庫となっているユニットのほとんどはぺラック州(2,905ユニット、20.7%)クアラルンプール(2,692ユニット、19.2%)に集中しています。
建設活動は減少傾向でした。完成ユニット数は93,547ユニット(前年比-0.7%)でした(2017年:94,198ユニット)。一方で、建設開始数も減少し、122,065ユニットと前年比-8.6%となりました。
住宅価格は、安定的な成長を見せました。マレーシア住宅価格インデックス(MHPI)は193.3ポイントと、2017年から3.1ポイント上げました。
コマーシャル
コマーシャルは市場活動に活発さが見られました。2018年、取引件数は23,936件(前年比+8.0%)、総額295.1億リンギット(前年比+16.0%)となりました(2017年:22,162件、254.4億リンギット)。
・店舗部門: コマーシャル物件の取引数の54.0%(前年比+5.1%)、取引総額の36.4%(前年比+11.5%)占めました。店舗の販売停滞している在庫状況は5,055ユニット(前年比+11.2%)となり、総額40.8億リンギットでした。建設中在庫も同様に増加の傾向を見せ、7,233ユニット(前年比+22.8%)となりました(2017年:5,889ユニット)。一方で、未着工の在庫は385ユニット(前年比-16.0%)となりました。
・ショッピングコンプレックス: リテール部門は安定的でしたが、平均稼働率はやや減少して79.3%となりました(2017年は81.3%)。減少は、主にセランゴール州(-32,655㎡)とパハン州(ー10,831㎡)での賃貸面積の減少によるものです。
・目的別専用オフィス: 稼働率は2017年83.3%からやや下がって82.4%となりました。クアラルンプールの賃貸面積減少が最大で、-38,632㎡となりました(2017年: 7,127,482㎡, 2018年: 7,088,850㎡)。その他の13の州も80%以上の稼働率を記録し、プルリス州は100%稼働率を維持しました。
次回は、2019年の不動産市場見通しについて見ていきます。
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