[フィリピン] レジデンシャル市場のトレンドとは

2023/11/13


総合不動産サービス会社コリアーズ・フィリピンは、フィリピンのレジデンシャル不動産市場にいくつかのオポチュニティが生まれており、デベロッパー各社はその波に乗るべきだと述べています。



コリアーズ・フィリピンによると、レジデンシャル市場にはいくつかのトレンドが生まれています。メトロマニラについては、価格も賃料もコロナ前の2019年のレベルにはまだ到達しないものの、確実にリバウンドしていると述べています。



2023年の前半期、プレセールの成約件数が前年同期比で52%、新プロジェクトの発売件数は前年同期比で70%増加しました。



国内のフィリピン人投資家からの関心も高まっており、消費者および企業の景況感の改善にも現れています。デベロッパー各社は、慎重ながらも楽観的な見方を維持しており、戦略的なプロジェクト発売を続けています。住宅イベントも戻ってきていることから、デベロッパー各社が新規の住宅プロジェクトに対する市場の意欲を計ろうとしているようだとコリアーズは述べています。



コロナ後のバイヤーの好みに合わせた機能や特徴を強調する


コリアーズ・フィリピンが行った2022年第3四半期のレジデンシャル調査では、回答者のうちの83%が、通気性がよく緑やオープンスペースのあるコンドミニアムプロジェクトを好むことが分かったといいます。



コリアーズは、デベロッパー各社に対して、コワーキングスペースなど在宅勤務やマルチタスクができるようなアメニティや、ファンクションルームやビジネスラウンジといった仕事のためのアメニティ、さらにはスマートホームシステムなどを導入するよう提案しています。



同じ調査では、回答者の90%がグリーンスペースやサステナブルな機能があることが住宅開発にとって重要だと答えていることも分かっています。



コリアーズは、デベロッパー各社に対して、水の処理設備、センサー照明、ソーラーパネルやポケットガーデンといった設備を取り入れて、市場での差別化を図ることで、革新的な機能、サステナブルな機能を求める目の肥えたバイヤーの需要をとらえるべきだと述べています。



レジデンシャルタワーにもグリーンビル認証を


コリアーズはまた、デベロッパー各社に対して、プロジェクトにLEEDやBERDEといったグリーンビル認証を取得するように促しています。コリアーズは、グリーンでサスティナブルな機能は、コロナ後、オフィスビルだけでなくメトロマニラ内外のレジデンシャル物件にとっても重要な役割を果たすと述べています。


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合弁事業を活用した高級プロジェクト開発


コリアーズはまた、ラグジュアリー案件の開発のために、外国のデベロッパーと提携して、市場のオポチュニティをつかむようにも呼びかけています。コリアーズは、国内デベロッパーがプロジェクトを差別化する上で外国企業との提携は有効であると過去のレポートでも提言しています。



さらに、投資家にとってもエンドユーザーにとっても関心の高い、合弁プロジェクトの高級アメニティや総合的なエリア開発、一流のコンシェルジェサービスや、値上がり可能性などを積極的にアピールしていくべきだとも述べています。



都市から郊外へ

また、投資家、エンドユーザーともに都市部から郊外へと流れる傾向にもあるようです。メトロマニラにコンドミニアムを保有している人が、特に中部ルソン、南ルソン地方のCBD以外の場所に戸建てを構える意向を示しているようです。



コリアーズによると、コロナ禍が始まって以来、リゾートやレジャーをテーマにした平面プロジェクトの需要が高まっており、このトレンドは2023年以降も続くだろうとみられています。



メトロマニラ以外のエリアにおけるリゾート型のレジデンシャルプロジェクトへの需要が高まっていることを受けて、デベロッパー各社は積極的にメトロマニラ以外のエリアに土地付きの戸建てや土地のみのプロジェクトを販売しているようです。インフラプロジェクトによりメトロマニラ以外の主要地域との接続性が高まるにつれて、マスタープランに基づくコミュニティ開発がさらに見られるようになるだろうとコリアーズは述べています。




(出所:Business World Online()())

(画像:UnsplashのREY MELVIN CARAANが撮影した写真)