[フィリピン] 観光収入が今年10カ月で4,000億ペソ越え

2023/12/04


フィリピン政府観光省(DOT)のクリスティーナ・フラスコ長官は、海外在住のフィリピン人を含む482万人以上が外国からフィリピンを訪れ、年末を待たずして目標を突破したと発表しました。フィリピン人を除いては、463万人が海外から訪れ、DOTが今年の目標としている480万人の達成まで96%のところまで来ています。




観光局のデータとしてオンラインニュース「Philippines News  Agency」が報じているところによると、11月28日現在、韓国からの外国人観光客は127万5,887人(海外在住フィリピン人は4,231人)で、合計26.46パーセントを占めています。



次いで米国が923,409人(海外在住フィリピン人が123,828人)、日本が323,029人(海外在住フィリピン人が49,299人)となっています。その他、国別上位10か国に入ったのは、オーストラリア、中国、カナダ、台湾、シンガポール、英国、マレーシアでした。



外国人観光客はフィリピン経済に4,040億ペソをもたらしました。フラスコ氏は、観光産業部門には、535万人以上のフィリピン人が従事しており、フィリピン全土の雇用、生活、地域社会の幸福を支え、経済成長をけん引する第二の原動力であると述べました。昨年、観光産業は国内総生産の6.2%に相当する利益を生み出しました。



フラスコ氏は、今回の目標達成について、ビザ政策の自由化、観光休憩所の建設、史上初のマルチプラットフォーム観光コールセンターの設立などが貢献したと説明しています。



フラスコ氏は、観光産業の潜在力を引き出す鍵は、インフラ、接続性、デジタル化の課題に取り組むことだと述べています。観光道路インフラ整備を継続すべく公共事業・高速道路省し、2023年は158キロメートルの観光道路の建設・修復がされ、2024年以降もさらに多くの観光道路が建設される予定だということです。



また、DOTはハード面のインフラ投資だけでなく、人的資源の開発においても運輸省と協力しています。フラスコ氏は、「私たちは、空港や港で働く第一線の観光労働者に、「フィリピン・ブランド・オブ・サービス・エクセレンス」を教えています。このプログラムでは、観光バリューチェーン全体で111,000人以上の労働者を訓練してきました。」と述べています。



一方、同局は来年、5つのクルーズターミナルを建設する予定だということです。



総合不動産サービス会社コリアーズ・フィリピンは、デベロッパーや関係者に対し、国内外からの旅行者誘致に向けた官民の取り組みから得られる機会を最大限に活用することを推奨しています。コリアーズは、政府観光省による国内観光促進策と外国人旅行者の回復により、国内のレジャーセクターの需要に火が付き、ホテルの稼働率と室料が上昇することを予想しています。また、レジャーセクターは、空港や道路などの交通インフラ・プロジェクトの開発からも恩恵を受けるはずだです。コリアーズは、交通インフラの整備は、デベロッパーが全国の新興観光地にホテルやMICE(会議、インセンティブ、カンファレンス、展示会)施設を建設する機会を提供するだろうと述べています。



(出所:PNABusiness World OnlineColliers Philippines

(画像:UnsplashのJoshua Delicaが撮影した写真)