2019/10/15
[シンガポール] ラグジュアリーアパート市場が熱い
シンガポールのレジデンシャル市場のうちラグジュアリー部門が熱くなっています。コリアーズ・インターナショナルグループによると、中国本土からの関心が高まっているからです。
香港での混乱により、シンガポールで不動産を購入しようとする人が増えるのではと見る人もいましたが、必ずしもそうではないようです。
「ラグジュアリー物件の販売増は、香港の代わりを探す中国人バイヤーが増えたことにもよりますが、一方で、中国元が弱くなっており、中国本土から資金を移す動きが出ています。」とコリアーズのシンガポールリサーチヘッドのトリシア・ソン氏は話しています。ソン氏はまた、シンガポールドルの方が安定していると考えられているとも付け加えました。
▼USD(USドル)/CNY(中国元)の過去10年の推移
(出所:XE.com)
2019年9月末までで、シンガポールの中心部一等地の315のアパートが外国人によって購入されました。2018年7月に政府が投資過熱抑制策を導入した以前のペースを取り戻しつつあります。
前述の315戸のうち、97戸つまり3分の1が、中国本土の中国人により購入されており、シンガポールで最も大きな外国人バイヤーグループを構成しています。
一方で、香港人により購入されたのはたったの8戸でした。
「入手できる限りのデータでは、香港マネーがシンガポール不動産に流入しているという確実な証拠は得られていません。しかし、より多くの中国人が、特にラグジュアリーホームに関心を寄せていることはわかります。」とソン氏は話しています。
シンガポール政府は、物件価格ごとの国籍別データを出してはいませんが、2019年1月~9月で、75戸のアパートが1,000万シンガポールドル(約7.9億円)以上で販売されており、これは2010年の総額に匹敵します。
都市再開発庁(URA)が2019年10月初めにリリースしたデータでは、9月30日で終了した3か月間で、中心部の一等地に立つラグジュアリーアパートの価格は2.9%上昇し、前四半期と比較して2.3%増となりました。
全体では、レジデンシャル価格はの上昇は0.9%となっています。
(出所:Straits Times)
▶2018年7月のシンガポール政府の投資過熱抑制策に関するPropertyAccess.coの過去の記事はこちら
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