2019/05/24
[タイ] 住宅ローンのスランプに懸念
4月に新しい住宅ローンの貸出規則が施行され、スランプを迎えていることを受け、財務省はタイ銀行に対してその緩和を求める構えです。
「財務省は、中央銀行と住宅ローン規則の緩和について議論を交わす予定です。というのも、不動産サプライチェーンが全滅だからです。」タイの政府系住宅銀行GH銀行の頭取、チャッチャイ・シリライ氏は話しています。「GH銀行はすでに影響を財務省に報告済みです。」
タイ中央銀行の新しいLTV要件が、住宅ローンの貸し出しを鈍化させているとチャッチャイ氏は話しています。
2019年4月にGH銀行が行った融資は下落、しかし4月は祝日が多かったため、このスランプのどの程度が新しい住宅ローン規則によるものかは不明としています。
同行は、住宅ローン需要の鈍化が、経済状況の冷え込みによるものであるのかも見たいとしており、今月も状況の再評価を行う予定です。
2019年4月1日より、住宅購入者は3軒目以降の住宅購入については、少なくとも30%の頭金を支払わなくてはならず、2軒目は1軒目のローンの借り入れ状況に応じて10~20%の頭金となっています。
1000万バーツ未満の1軒目の住宅を購入するための住宅ローンを申請する場合、LTVが90~100%というのは変更なしですが、その割合は1000万バーツ以上の住宅を購入する場合は80%に引き下げられています。
タイ銀行の役員の一人は、実施後の結果によっては、同規制がさらに引き締められることも、逆に緩和されることもあるだろうと話しています。
この厳しい住宅ローン規則は、住宅ローンの不良債権を防止し、信用基準を改善し、投機的な行為を防止する目的だとしています。
「4月の貸出が少なかったことが、完全に中央銀行の規制の引き締めによるものなのかはわかりません。稼働日数が少ない月はローンの需要が下がるからです。しかし、再評価をする必要があります。ローン需要の低下が規制によるものだとすると、今年の貸出目標2,030億バーツに届かない可能性があります。」とチャッチャイ氏は話しています。
GH銀行の2019年4月の貸付金額は90億バーツで、同行の毎月の平均目標である150億バーツを大きく下回りました。
同行は、今年前半期で900億バーツの住宅ローン承認を見込んでいますが、公式目標は1000億バーツです。
GH銀行の、今年に入ってからの住宅ローン貸付は、1月117億バーツ、2月130億バーツ、3月198億バーツでした。
チャトチャイ氏は、政府の低価格帯100万ユニットスキームの下、5,000名以上に40億バーツを貸し付けました。
GH銀行は、今後2か月で、低価格住宅スキームの下で提出された127,000ものローン申請の審査をしなければならないとしています。
(出所:Bangkok Post)
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