[ベトナム] Covid-19からの景気回復はワクチン次第

2021/10/26


専門家は、ベトナムのCovid-19パンデミック後の経済成長は、ワクチン展開次第であると述べています。



また、感染病予防策と財政支援パッケージの効果および副次的な影響にも依存しているとも言います。専門家らは、不良債権が積みあがってきており、それが急増して企業の許容値を超える可能性があるとも述べています。これは、パンデミック後の経済の潜在的な財務リスクとなります。



ベトナム経済・戦略研究センター(Vietnam Centre for Economic and Strategic Studies (VESS))のダイレクター、グエン・ドゥック・タイン氏は、ワクチン接種のペースが遅いために、ベトナムは2021年の世界の景気回復のリズムに乗り遅れたと述べています。これにより相対的有利性の逸失につながる可能性があります。ベトナムのワクチン接種は、他の国々と比較すると遅れているからです。




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2021年の感染の増加は、ベトナムの経済成長を失速させ、サプライチェーンの混乱と労働市場に動揺をもたらしました。国内企業は、大打撃を受けました。加えて、世界経済の地政学的なシフトと発展が、原材料価格という点において、ビジネスのリスクを高める可能性があります。



タイン氏は、今年1月~9月の経済成長は、経済の課題をすべて反映しているわけではない、と言います。企業の抵抗力は弱まりました。特に、南部の都市や省では、Covid-19感染の第4波により、甚大な損害を被っています。



国立経済大学のマクロ経済部長ファム・テ・アン氏は、Covid-19パンデミックの影響を受けて、市場の需要は悪化し、物の循環も大きな影響を受けたと述べています。



アン氏は、遅かれ早かれ、生産コストは、ガソリン・物流などにかかる費用や疾病防止費用などのた生産物価格に反映されるだろうと述べています。社会活動が通常に戻ったら、消費者需要は増加し、上記のような要素が価格に影響を与え、インフレに圧力をかけることになるでしょう。今年末までに、食料品の価格は、供給困難により上がるという予測があります。



タイン氏は、2021年の第4四半期時点で、生産および物流の供給における混乱の制御といった点で、すべての企業が適応できれば、高成長シナリオが達成できるだろうと予測しています。このような予測に基づくと、国の国民総生産は、2%弱くらいとなる予測です。



専門家によると、低成長シナリオは、パンデミックとの戦いに際して、同期した施策が都市や省で行われないことです。こうなると、物の循環が困難になり、契約・生産計画や労働力の不足につながります。こうなるとGDPは0.2%程度しか動かない予想です。



国の経済成長が、高成長シナリオを行くためには、政府は都市・省でのワクチンキャンペーンを加速させ、物の循環をスムーズにするだけでなく、ビジネスのための財政パッケージや失業者への支援を考えていくべきです。



各省の当局にも、4月末に国内で広がった感染の第4波により、ホーチミンシティや近隣のビンズオン省、ドンナイ省、ビンフォック省などを離れた人々に対して雇用の機会を与えることが求められています。



(出所:Vietnam Plus

(画像:Image by Spencer Davis from Pixabay )