2021/06/28
[ベトナム] GDP6%目標達成に向けて順調
2021年の前半期、ベトナムのGDP成長率は推定5.8%となり、政府の期待値であった6.22%を下回りました。
しかし、厳しいコロナの状況にもかかわらず、ベトナムは国会が設定したGDP成長率目標6%を達成できそうです。
レ・ミン・カイ副首相は、2021年6月15日に行われた国会常務委員会でスピーチを行い、前半期のGDP成長率が政府の期待値を下回ったことについて、新たなCovid-19感染の波がベトナムを襲い、63の市のうちの43で変異種で見つかったことに起因していると述べました。
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ベトナムの名目GDP成長率は、2021年1月~6月で約4,000兆ドン、成長率は5.8%と推定されています。
成長率は、政府の6か月目標であった6.22%に0.42ポイント満たなかったものの、この結果は「政府の多大なる努力」が表れている、とカイ氏は述べています。
経済状況についてもう少し見ていくと、グエン・チー・ズン計画投資大臣は、建設・工業生産は、7.85%と拡大を見せ、成長に拍車をかけるのに重要な役割を果たす、と述べています。建設・工業生産に続いたのは、サービス(5%)そして農林水産業(3%)でした。
ズン大臣はまた、リテール販売およびサービスからの総収益に急激な伸び(7.1%)が見られたことについても強調しています。
インフレが統制できていることと、安定的な為替と金融市場もまた、マクロ経済が景気回復に向けてしっかりとした基盤となるとも述べています。
2021年1月~6月期で、ズン大臣は、国家予算の歳入が今年の推定額の55.5%に到達すると見ており、これは昨年同時期から10.9%増、コロナ前の2019年と同じくらいのレベルです。一方で、国家予算の歳出は、推定額の43%程度と見られており、公共投資の支出額は計画の34.15%と、昨年前半期の34.85%と比較してわずかにペースを落としています。
ズン大臣は、2021年の後半期には、政府は、パンデミックの封じ込めと景気回復の促進、二つの目標の達成に向けて邁進していくと述べています。
「政府は、必要な資源を集めて、集団免疫をつけるべく、国民に無償でワクチンを提供していく」とズン大臣は強調しています。
優先事項の中でも、ズン大臣は、政府がパンデミックに影響を受けた個人や企業、特に職を失ったものや、工業団地で働く者たちを支援するための措置に力を入れていくと言います。
ズン大臣は、政府機関が開発のための社会的な資源をさらに活用すべく、法的枠組みの問題に積極的に対応していくとも述べています。
中央政府および地方は、質の高いFDIプロジェクトの誘致を促す一方で、金融-予算規律と公的投資資金の支出割合を強化していていくことが期待されていると、ズン大臣は加えています。
政府の支援策のペース緩慢
現行の政府支援策について、国会の経済委員会ヴ―・ホン・タイン会長は、支援策の中に実施速度が遅いものがあることを認めています。これについて、社会的弱者の多くが支援策を受けることができなかった、と述べています。
タイン会長は、35.8兆ドンの金融支援パッケージのうち、2021年5月27日時点で、たった36.5%、つまり13.1兆ドンしか支出されていないことにも触れています。
一方で、ベトナム社会政策銀行(Vietnam Bank for Social Policies)から16兆ドンの貸付パッケージを通じて、労働者の賃金支払いに充てるための優遇ローン総額420億ドンを受けるべく選ばれた企業はたった245社でした。
タイン会長は、政府に対して、支援策の包括的に見直し、さらに効率性の高いほかのプログラムを起案するよう求めています。
最近の統計データでは、企業の98%近くがパンデミックの影響を受けているものの、政府の支援を受けられたのはたった2%にとどまったことがわかっています。
タイン会長の調査を受けて、カイ大臣は、計画投資庁に対して、政府の支援プログラムを見直し、そのプロセスから学ぶようにと命じています。
「政府は、パンデミックの影響に苦しむ人々にさらなる支援をしていきたい」とカイ副大臣は述べています。
(出所:Hanoi Times)
(画像:Photo by Florian Wehde on Unsplash )
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