[フィリピン・米国] Hotel101、フィリピン企業初の米国上場へ

2024/04/17


フィリピンの不動産会社ダブルドラゴン社(Double Dragon)は、子会社 Hotel101 Global 特別目的買収会社 JVSPAC Acquisition Corp との合併により米国のナスダックに上場すると発表しました。



Hotel101 Global は、SPAC (*)との取引後、米国に上場する最初のフィリピン企業となります。


(*) 設立・上場の時点では、自らは事業を行なっておらず、未公開会社の買収を目的として設立される法人。民間企業との合併のために資金を調達する。



ダブルドラゴン、Hotel101、JVSPACは共同声明で、合併によりHotel101の株式価値は23億ドル以上になると述べました。合併は下半期に完了し、Hotel101は "HBNB "のティッカーで上場します。



Hotel101のハンナ・ユロ=ルッチーニCEOは、「NASDAQ上場は、Hotel101に大衆資本市場へのアクセスを可能にし、当社の世界的な事業拡大計画を加速させる一助となるでしょう。」とは声明の中で述べました。



Hotel101は、フィリピンに上場するDoubleDragon社のホテル部門であり、エドガー・"インジャップ"・シア2世がジョリビー・フーズのオーナーであるトニー・タン・カクション氏 と共同で設立したものです。



Hotel101は、個別の投資家に販売する標準21平方メートルの客室を持つホテルを建設・運営しています。ユロ=ルッチーニ氏によると、Hotel101の「アセット・ライト・ビジネスモデル」では、客室の投資家への販売と、日々のホテル運営からの経常収入、2回の売り上げをあげることができると説明しています。



Hotel 101はシンガポールに本社を置き、フィリピンで2棟のホテルを運営中、また日本、スペイン、米国で合計3棟のホテルを開発中です。2026年までに中国やサウジアラビアを含む25カ国に進出し、収益の95%を海外から得ることを目標にしています。また、長期的なビジョンとして、客室数を現在の2,286室から100万室に増やし、世界100カ国以上で運営することを掲げています。



上場後も引き続きダブルドラゴン社が筆頭株主ですが、Hotel101の5%弱が一般に売り出されることで、同社は機関投資家や個人投資家を呼び込むことを目指すということです。



JVSPACは、香港、マカオ、広州でランボルギーニ車の総代理店である高級品ディストリビューター、キングスウェイ・グループのCEO、アルバート・ウォン氏が率いています。ライフスタイルとハイテクビジネスをターゲットにしているこのSPACは、発表によると、1月に5,750万ドルを調達したということです。



今回の合併で、Hotel101は、米国に上場する東南アジア企業の仲間入りをし、ロイターは「米中間の緊張の中で上場を一時停止している中国企業の空白を埋めることになる」と表現しています。



米国に上場した東南アジア企業の例としては、①ベトナムのEVメーカー「ヴィンファスト」が2023年8月、SPACのブラックスペード・アクイジションとの合併により米国に上場したケース、②2024年2月に、マレーシアの格安航空会社エアアジアの親会社であるCapital A が、SPAC Aetherium Acquisition (GMFI.O)との間で、同社のブランド管理部門をナスダックに上場させる契約を締結したケースがあります。それぞれの企業価値は現在、①は約100億ドル、②は約11億5000万ドルになっているということです。



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(出所:Reuters

(画像:ISO Republic)