トランプ大統領就任による不動産市場の影響|デメリット4つを専門家が解説

2025/01/07

監修: 不動産のエキスパート 風戸裕樹


2024年11月5日に選挙が行われたアメリカの大統領選挙で、ドナルド・トランプ氏が勝利しました。


「トランプ新大統領によって不動産市場が下落するかもしれない?」

「トランプ新大統領が就任することで不動産市場にはどんな悪影響がある?」


このような疑問を持たれている方も多いでしょう。


この記事では、トランプ新大統領が誕生することで、国内・海外の不動産市場にはどのようなデメリットがあるのか専門家が解説します。


5つのポイントに絞ってお伝えするので、今後リスクを抑えて不動産投資を検討したい方は、ぜひ参考にしてください。


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トランプ大統領就任による不動産市場へのデメリット4つ


トランプ大統領の就任が国内・海外の不動産市場に与えるデメリットは主に4つあります。


①経済指標の変化によるデメリット

②インフレーションによるデメリット

③資源価格の上昇によるデメリット

④これからの世界情勢がもたらすデメリット


では、一つずつ見ていきましょう。



①経済指標の変化によるデメリット


経済指標の変化によって、不動産市場は大きな影響を受けます。


例えば、為替・金利・GDPの成長率は、不動産市場では欠かせないチェックポイントです。


三菱UFJ銀行ホームページ米ドル/円10年チャートより


黒く囲んだところは、2016年11月~2021年1月のアメリカドルと円の推移です。


意外にも、2021年から急激に円安が進行しているのは、トランプ大統領の任期が終わってから1年が経過してからになります。


経済指標はそれぞれに相関関係があるので、次は金利について見てみましょう。


三井住友DSアセットマネジメントホームページより


このように前回の大統領の任期時には、長期金利は緩やかに上昇しています。


長期金利の上昇によって、生活にどのような影響があるのかは、後ほど解説します。


最後にGDPの成長率を見てみましょう。


CNNより


コロナの影響がありながらも、GDPは堅調に伸びていたことが分かります。


これらを踏まえた上で、トランプ新大統領の就任が不動産市場に与えるデメリットを考察してみましょう。


昨年から急激な円安が続く為替について、今後も円安が進行すると、輸出企業の業績は向上します。


しかし、円安が進行し過ぎてしまうと輸入製品に対しての物価が上昇してしまい、日本の国民の生活を圧迫してしまう恐れがあります。


また、アメリカの長期金利が上昇を続ける場合は、不動産にとって悪影響があると言えるでしょう。


なぜなら、アメリカの長期金利が上昇することで、アメリカのみならず日本の不動産のローンの金利も上昇することが見込まれるためです。


今まで、自宅を購入できた人がローンを組めなくなり不動産市場においては、需要と供給のバランスが崩れることにつながります。


結果として、不動産価格は下落することになるのです。


また、上記の通りGDPの推移が堅調な世界経済において、リーマンショックなどの世界恐慌が起こってしまうと、株価が下落します。


株価が下落すると、経済に対する不安感から買い控えが生じ、不動産市況も下落する恐れがあります。


トランプ新大統領の政策は不透明なところも多く、今後の見通しも立てにくいのが現状です。


経済指標に連動すると、不動産市況にも影響を与えて人々の生活も変化するでしょう。



②インフレーションによるデメリット


不動産市場を考える上で、インフレーションも考慮する必要があります。


昨今では、様々なものの価格は上昇傾向にあります。


ここでは、今後の地政学的なリスクにより更なるインフレーションが進んだ場合の、不動産市場へのデメリットについて紹介します。


インフレーションが行き過ぎてしまうと不動産価格はどうなるでしょうか。


結論から言うと、不動産の市場価格が上がり過ぎてしまい買い控えが発生することになります。


リーマンショックの前にも、世界の不動産価格は上昇を見せていました。


しかし、加熱しすぎた不動産担保証券(モーゲージ証券)の発行によって、不動産市場がバブルとなり多大な資金が流入したのです。


結果として、買い手が付かない不動産が数多く発生し、不動産市場は大暴落をして多数の人が影響を受けることになりました。


今がバブルかどうか見るためには、以下の指標を参考にするのも良いでしょう。

UBSバブル指数を参照したNoteブログより


上のグラフは、スイスの投資銀行が世界的な価格バブルの度合いを、独自の指数で表したものです。


グラフからも分かる通り、東京の不動産は2022年と2023年を比較しても世界的にバブルの度合いが高いと示唆されています。


これを考えると、東京の不動産の購入者の買い控えが生じて需給バランスが悪くなり不動産価格の下落を招く恐れがあります。


不動産の下落による損失を避けるため、国内不動産の売却を検討するのも1つの手段かもしれません。


また、保有している不動産のバブル崩壊を避けるために資産ポートフォリオの分散として日本以外の海外の不動産を検討するのも面白いでしょう。


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③資源価格の上昇によるデメリット


ここではトランプ新大統領の政策による資源価格の上昇に焦点を当ててみましょう。


資源価格の上昇によって、不動産の建設に係るコストが上昇してしまう恐れがあります。


肌感覚として、建設資材費の上昇によって日本の注文住宅の値段もここ数年で10〜15%上昇したと感じます。


以下のデータを見ても、建築資材の価格は急激に上昇したことが言えます。

一般財団法人建設物価調査会建築資材物価指数より


建設資材の高騰は、不動産において物件価格の上昇をもたらします。


なぜなら、物件で使用される建設資材の価格が高騰することで、原材料費も高騰してしまい、不動産開発会社の経営を圧迫するからです。


経営の圧迫を防ぐためにも、不動産価格を上げざるを得ない現状があります。


このように、建築資材の高騰に昨今の建設業界の人手不足も相まって、不動産価格は上昇するのです。


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④これからの世界情勢がもたらすデメリット


これからの世界情勢を知ることで、不動産市場の今後を予測できます。


果たして、世界情勢の変化によって不動産市場にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。

最初に考えられるのが、不動産への買い控えが起こることです。


世界情勢の先行きが不透明な状況で新たに不動産を購入することによるリスクを考えると、購買を控える人が増加します。


そして、地政学的リスクのある国から、海外への移住を考える人の増加が顕著になるでしょう。


例えば、以下は富裕層がどの国に移住をしているのかについて表したものです。


Voronoi Visual of the Yearより


表を見ると、地政学的なリスクが顕在化するかもしれない中国・台湾・ロシアなどは富裕層が国外に流出していることが分かります。


まだ大きな地政学的なリスクが無い状態でも流入が進んでいることから、今後もより増えていくでしょう。


また、アメリカの今後を考えてみると、これからの不動産市場におけるリスクについて理解できます。


トランプ新大統領が再び就任する、アメリカの今後を見てみましょう。


ダイレクトチャイナより


上のグラフは1990年から2023年の各主要国のGDPの推移です。


このまま行くと、2037年には中国のGDPがアメリカのGDPを逆転するとのデータもあります。


イギリスのシンクタンクの経済ビジネス・リサーチ・センター(CEBR)がそのように予想しているとのことが、2023年には大きなニュースにもなっていました。


地政学リスクが起こらないとしても、長期的にはアメリカの経済的な国力よりも中国が上回る可能性が高いでしょう。


このように、世界情勢を鑑みると、長期的に不動産価格下落のリスク要因となることは大いに存在しています。


短期的なトランプ新大統領の政権運営のみならず、10年や20年単位での長い目線で世界の流れから不動産価格を考えてみることも大事です。


そうすることで、今まで思いもよらなかったリスク要因が見えて、不動産価格の推移が分かるようになるでしょう。





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まとめ


今回は、トランプ新大統領の就任が国内・海外の不動産市場に与えるデメリットとして以下の4つをご紹介しました。


①経済指標の変化によるデメリット

②インフレーションによるデメリット

③資源価格の上昇によるデメリット

④これからの世界情勢がもたらすデメリット


トランプ新大統領の就任が短期的にはデメリットになると思われている要素も、長い目で見るとデメリットではない可能性もあります。


事実として、前回のトランプ新大統領の政権運営中、世界情勢は堅調に推移していました。


それに合わせて、不動産価格も緩やかな上昇を見せていました。


これから、トランプ新大統領が二度目の政権の舵を取ることになりますが、優秀なビジネスマンとしてアメリカという国家をどのように運営するのか目が離せません。


以下の記事では、トランプ新大統領の就任が全体としてどのような影響を与えるのかについて更に詳しく紹介しています。


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政策により影響を受ける経済指標をチェックするのはもちろんのこと、現在の市況感について、不動産専門家の考えを求めることもおすすめです。




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少しでも、トランプ新大統領が不動産業界に与えるデメリットについて関心を持っていただければ嬉しいです。


最後までお読みいただきありがとうございました。