2021/06/29
[フィリピン] BPOがオフィス需要をけん引
フィリンベスト・ランド(Filinvest Land)向けに作成されたジョーンズ・ラング・ラサール(JLL)のレポートによると、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)業界がフィリピンのオフィススペースの需要を駆り立てると見られています。
「情報テクノロジー・ビジネス・プロセス・マネジメント(IT-BPM)業界が、今後もオフィススペース需要の先頭に立っていくでしょう。そして、サテライトオフィスを作るというこの新しいトレンドは、大量の従業員の採用を検討している業界にとっては、戦略的適合となるでしょう。」と、JLLは「メトロマニラ・メトロセブのオフィス市場調査」の中で述べています。
多くのBPO企業は、ロックダウンによる制限やパンデミックによって、従業員に在宅勤務を認めています。
「このリモートワークの世界的な試行によって、在宅勤務という働き方は一般的に実現可能であるということが証明されました。しかし、フィリピンでは、家で安定的にインターネットに接続できるかどうかということが、ロックダウンの中で各企業が初期段階で遭遇したハードルでした。さらに、国内のインターネット接続にはそれなりのお金がかかり、すべての家庭でそのようなサービスを購入できる資金的な余裕があるとは限りません。また、在宅勤務の主なリスクの一つがデータセキュリティ違反のリスクです。というのも、従業員は安全でない自宅のネットワークに依存しているからです。」
JLLは、多くのBPO企業が、メトロマニラ以外にサテライトオフィスを構えるだろうとして、セブシティ、パンパンガ州クラーク、西ネグロス州のバコロド市などで賃貸活動が活発化すると予想しています。
フィリンベスト・ランド社は、不動産投資信託(REIT)をその子会社のサイバーゾーン・プロパティーズ(CPI)を通じて上場することを計画しており、フィリンベスト・ミモザ+とフィリンベスト・ニュー・クラークシティ、およびセブのシティ・ディ・マーレを通じて全国に展開中です。
フィリンベスト・ランドのREITのポートフォリオには、ノースゲート・サイバーゾーンの16の建物と、セブ・サイバーゾーンのリテール区画のついたオフィスタワーが含まれます。
「品質とテナントミックスの多様性から、これら17の建物が、フィリンベスト・ランドのREIT(FILRT)の最初のポートフォリオとして選ばれました。」とCPI社長兼CEOのマリセル・ブライトン-リリオ氏はその声明の中で述べています。
テナントの88.4%が多国籍BPO企業だと言われています。従来からのオフィスやリテールテナントはたった8.8%で、POGO(フィリピン・オフショア・ゲーミング事業者)が2.8%です。
CPIは、フィリピン証券取引委員会に届出を出しており、商号をフィリンベストREIT社(FILRT)に変更予定です。
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(画像:Photo by Petr Macháček on Unsplash)
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