[トレンド] プロピー社、米国でNFTプラットフォーム立ち上げ、実世界の不動産をNFTとして購入可能に

2022/02/01


ブロックチェーンのスタートアップ企業プロピー社(Propy)が、スマートコントラクトのコンセプトを導入して、実世界のスムーズな不動産販売を目指す取り組みについて、過去の記事でご紹介しました。その際に取引されたのは、ウクライナにあるアパートでしたが、今回の舞台はアメリカです。




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TechCrunchによると、プロピーは、不動産NFTを立ち上げ、ウクライナのアパートの販売で行ったプロセス全体を米国で行い、不動産をNFTに変換するための技術的・法的な枠組みに取り組んでいます。




プロピーは、フロリダにあるレジデンシャル物件2軒を、2月8日にオークションにかけようとしているようです。この技術を不動産オーナーやブローカーに売り込んでいきたい考えです。



しくみとしては、プロピーが購入の記録をブロックチェーンに載せて、所有権を示す法的書類へのアクセス権を与えます。これにより、バイヤーのコストは下がり、購入プロセスが加速します。プロピーは、このしくみをグローバル展開し、ブロックチェーン技術を使って不動産購入の単一のしくみを提供しようと計画しています。




これがうまくいけば、バイヤーはフロリダにある投資用物件を手に入れ、その物件を保有する米国拠点の法人を所有することになります。その所有権は、NFTと関連付けられます。小口化された所有権ではなく、それを担保に借入を行うことができるDeFi資産となります。



プロピーのCEO兼共同創業者のナタリア・カラヤニヴァ氏は、「プロピーでは、必要なすべてのスマートコントラクト、米国における不動産をトークン化することができる適合した法的枠組みを開発しました。NFT販売は、2021年12月には40億ドルに達し、実世界の資産もまた、市場の大きな部分を占めることになるでしょう。」と語っています。



2021年、プロピーは、ウクライナのアパートメントを販売、ベンチャーキャピタルで1,600万ドル超を調達しています。アメリカのベンチャーキャピタル投資家ティム・ドレイパー氏、シリコンバレーのテクノロジー関連スタートアップを中心としたテクノロジー全般を扱うブログ「テッククランチ」の創始者で元共同編集者マイケル・アリントン氏などの支援も受けています。



スマートコントラクトも徐々に法的な記録として認められるようになってきているようです。バーモント州とアリゾナ州がこれを認める法案を可決しています。



プロピーには競合も数社あります。RealTは、フラクショナル不動産投資プラットフォームで、世界中の投資家が、トークンベースのブロックチェーンネットワークを通じて、米国の不動産市場に投資できるようにしています。SafeWire(セーフワイア)(旧:SafeChain(セーフチェーン))は、不動産会社、エージェント、顧客、業界が、ハッカーの介入によって直面する通信詐欺の課題に取り組んでいます。しかし、同社は2021年12月に、
ClosingLock(クロージングロック)に買収されています。



(出所:TechCrunch

(画像:Photo by Shubham Dhage on Unsplash)