[ベトナム] 不動産市場は今後も外国人投資家にとって魅力的

2020/01/06

[ベトナム] 不動産市場は今後も外国人投資家にとって魅力的


ベトナム不動産は、韓国をはじめとする外国人投資家にとって、成長可能性のある魅力的な市場となっています。

韓国の最大手の投資銀行のひとつであるKBセキュリティーズの調査で、韓国の億万長者の半数以上が、ベトナム不動産への投資に関心を寄せているといいます。

不動産コンサルティング会社CBREベトナムのダイレクター、グェン・ホイ・アン氏は、2019年第3四半期のハノイ不動産市場レポートの発表を発表する記者発表で、「過去4~5年、多くの韓国人投資家がベトナムで住宅を購入する傾向が見られます。このトレンドは、今年も、ハノイ、ホーチミンシティ両方で引き続きみられています。」と話しています。

「韓国人投資家が、過去何年もベトナムで住宅を購入する外国人のトップの座を占めており、このトレンドは留まる気配がありません。」

アン氏によると、ベトナム経済は今後急成長が見込まれていることから、ベトナム不動産市場に関心を示す顧客が多いと言います。

韓国と比べて、ベトナムの住宅価格が魅力的なことも理由として挙げられています。たとえば、ハイエンド住宅の平均価格が、ベトナムでは平米あたり2,000USドル(約21.6万円)なのに比べて、韓国で同様の商品は平米あたり15,000~20,000USドル(約162万円~216万円)で販売されていると言います。

サヴィルズ・ベトナム支店のホーチミンシティ・レジデンシャル販売部門ダイレクター、グェン・カン・ドゥイ氏もまた、ベトナム不動産の魅力には、前述のような魅力的な販売価格だけでなく、高い利益を生む可能性、そして高品質な商品があると説明しています。

さらに、ベトナムは、外国人がベトナムにおける不動産を買いやすいよう、法規制の変更を行っています。

「ホーチミンシティやハノイのアパートメントの価格は、これらの都市の堅調な成長にもかかわらず、一般的にクアラルンプールやバンコクといった都市よりも低くなっています。」とドゥイ氏は言います。ホーチミンシティ中心部の新築住宅の価格は、平米あたり5,500USドル~6,500USドル(約59万円~70万円)となっています。

ベトナムの不動産税が比較的低めなことも、国内外のバイヤーにとっては魅力的です。

したがって、2015年住宅法が改正され外国人投資家にも不動産市場が開かれて以来、ベトナムにおける不動産投資需要が高まってきたことは驚くべきことではありません。

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外国人投資家は、今後の値上がりを期待しているとアン氏は言います。

「ベトナムの不動産市場は、今後も発展を続けるでしょう。しかし、短期的には価格は上がらないでしょう。ベトナムの不動産価格が、他の先進国のレベルに達するには何年もかかるでしょうから。」

「不動産価格の上昇は、経済発展とベトナム人の所得を上げる能力にかかっています。」

「ホーチミンシティは、外国人投資家にとって魅力的な不動産市場でしたし、今後も変わらないでしょう。」

「2019年1~9月で、韓国人投資家以外にも、ハノイの不動産市場に目を向ける外国人投資家が増えているようです。これには、香港、台湾、シンガポールなどがあります。」

ハノイでは、ミーディン区からウェストレイクにかけての西部の物件が、賃貸用に購入しようとする外国人投資家を呼び込みました。

外国人が国内の不動産市場に興味を持ち、魅力的だと感じているときに、外国人投資家向けの物件を開発するのには、多くの利点があります。

しかし、外国人投資家を呼び込むにあたって、不動産会社はいくつかの要素に注意を払わなくてはいけません。特に言語です。外国語が話せるスタッフを準備し、パンフレットは外国人投資家に商品を紹介しやすいように外国語に翻訳されているということです。

「これは多くの国内不動産会社にとって課題だとされています。というのも、外国語の重要性をわかっていながらも、すべての会社がこれに気を配れていないからです。」

他の課題は商品関連のもので、顧客の需要に応える不動産の開発や、ベトナムにいない外国人オーナーの代わりに不動産の管理や取引を行う代理人などです。

「外国人を相手に商売をしようとする場合、このような点にも目を向ける必要があるでしょう。」とアン氏は言います。

CBREベトナムのハノイ不動産市場2019年第3四半期のレポートによると、ハノイでは、18プロジェクト、6,100ユニットが販売開始され、前期比では33パーセント下落しましたが、2019年1~9月では計26,800ユニットが新規販売開始されました。これは、前年同期比では、37パーセント増となっています。

第3四半期に販売開始したプロジェクトの多くが、ハノイ市西部に位置しており、全体の77%を占めました。

ハノイの不動産市場は明らかに分散化の傾向を見せています。タインチ県やホアイドゥク県といったより中心部から離れた行政区での新築物件の販売が目立っています。



販売では、2019年第3四半期に4,800ユニット以上が販売され、前期比では32パーセント下落しました。販売ユニット数に下落はあったものの、新規発売ユニット数に対する販売ユニット数の割合は、過去数四半期と同等レベルで、安定的な市場を見せています。

価格については、プライマリー市場の平均価格は前期比では横ばい、前年同期比では3パーセント上昇し、平米あたり平均1,337USドル(約14.5万円)となりました。

レジデンシャル市場の拡大とともに、アフォーダブルセグメントもますます郊外へ広がっています。CBREベトナムによると、プロジェクトのロケーションはハノイの中心業務地区(CBD)から10キロ以上離れています。アフォーダブルセグメントで2019年販売開始したプロジェクトの多くは、ハノイCBDから10~13キロ圏内で、比較的安定した価格を保っています。

2019年第4四半期には、7,000ユニットが販売開始されることになっており、2019年の新規発売は約33,000ユニットになるとみられています。この数値は、前年比で9パーセント増となります。新規供給分は、ヴィンホームズ・オーシャン・パーク、ヴィンホームズ・スマートシティまたはパークシティといったタウンシップ開発から来るものがほとんどです。

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プライマリー市場の価格は、年末までに平均1,360USドル(約14.7万円)近くに達するとみられており、上昇傾向となるでしょう。

積極的な販売・マーケティング活動と、提供される商品の改善により、販売の勢いは今後も続くとみられており、2019年の新規発売ユニット計の85~90パーセントを達成する見込みです。

(出所:Vietnam Insider