[フィリピン]グリーンオフィスビルに集まる注目

2021/05/27

[フィリピン]グリーンオフィスビルに集まる注目


総合不動産サービス会社コリアーズは、グリーンで持続可能な機能は、パンデミックを乗り切り将来にも有効なオフィスビルにおいて、重要な役割を果たすと述べています。

同社は、Covid-19パンデミックが、サスティナブルなオフィススペースの採用を加速させており、このトレンドが2021年以降のメトロマニラのオフィス賃貸需要の回復を補完していくだろうと予想しています。

テナント留保だけでなく、新しいテナント誘致の一環として、コリアーズは家主やデベロッパー各社に対して、入居企業のウェルネスだけでなく、グリーンな機能の追加を検討していくことも提案しています。


健康関連の支出7%増

フィリピン統計局(PSA)のデータによると、2010年から2019年の間に、フィリピン人の健康関連の支出は平均して年間7.9%増加しています。これは、他の消費者支出項目(ホテル・レストラン(7.6%)、飲食料(5.4%)、通信(5.0%)、衣服・靴(1.8%)と比べても早いペースです。このことから、健康・ウェルネスは、フィリピン人の主要な優先事項だということがわかります。雇用主も従業員もコロナ後は健康面に重きを置くことが予想されるため、家主もテナント企業も、テナント企業や従業員を引き止めるために、健康やウェルネスに関する取り組みを行っていくでしょう。


初のWELL認証ビル、メナルコタワー

2019年、フォートボニファシオにあるメナルコタワーが、WELLビルディング協会(WELL Building Institute (IWBI))からWELLゴールド認証を取得、東南アジアでWELLゴールド認証を取得した初の建物となりました。

賃貸可能総面積(GLA)は25,500平米にもなるメナルコタワーはWELL中心の機能や設備を備えています。例えば、濾過空気循環、避難階段への自然光取入れに加え、蛇口から飲料水の提供、フードコートではヘルシーフードの選択肢を設けています。

メラルコ・デベロップメント社のカルメン・ヒメネス-オングCEOは、WELL認証をトルコとで不動産デベロッパーは、より健康的な職場を通じてテナントを誘致し留保することができるとコメントしています。


商品の差別化が重要

2021年もデベロッパー各社はオフィスタワーの建設をメトロマニラ各地で進めていますが、コリアーズは、市場に選択肢が増えることから、テナントのニーズに適したビルであることを保証するために、商品の差別化が重要な役割を果たすと述べています。同社は、現代の働く人たちはどんな会社で働くかを決める際にいろいろな点を考慮するようになってきており、優秀な人材を呼び込み引き留めるためには職場は重要な要素だと指摘しています。


新規オフィス供給のうち37%がLEEDオフィス

コリアーズは、2021年から2023年にかけての新規オフィス供給のうち、LEED(leadership in Energy and Environmental Design)認証ビルが37%占めると予想しており、家主に対してウェルネス機能を最大限に生かし、このLEEDやWELLといった認証を優先していくべきだと提案しています。また、設計時に濾過空気循環、低密度、自然光を取り入れるためのガラス比率の上昇などを織り込んだり、病気の感染を防ぐような対策を実施するなど、衛生面や緊急時への準備を含む不動産管理能力の強化に努めるべきだとしています。


オフィス賃貸におけるサスティナビリティ

コリアーズは、LEEDやWELL認証ビルが大手の入居企業を獲得するためにますます重要な役割を果たすとして、デベロッパー各社に対して、現代の職場にとってシームレスで効率的なエクスペリエンスを生み出すべく、技術を取入れ、デザインを強化することで建物をアップグレードすることを提案しています。

ナレッジ・プロセス・アウトソーシング(KPO)企業、多国籍企業、従来のオフィス企業などの声にこたえるべく、市場がアップグレードを求めている、とも述べています。このようなことから、より広く、LEED認証を取得しており、効率的なエネルギーシステムがあるビルは、従業員だけでなく訪れる人のエクスペリエンスを高めてくれるのです。

コリアーズによると、過去2年でLEED認証を受けたビルの開発が激化しており、今後3年くらいは、より目の肥えたKPOテナント企業の拡大によって、この傾向はより一般的になるだろうと述べています。

すでに多くのデベロッパーが顧客の需要に応えるべく、LEED認証ビルを次々に建設しています。2021年に完成予定のLEED認証ビルには、ワン・アヤラタワー1、SMメガタワー、ザ・グラストン・タワー、プリメックスタワー、グラスタワーなどがあります。

今期完成予定のもう一つの大きなビルは、アーサランド(アルタランド)のセブ・エクスチェンジ・タワーです。こちらは、ビサヤ諸島・ミンダナオ地域で最大のオフィスタワーとなり、賃貸可能総面積は108,500平米にもなります。セブ・エクスチェンジは、広々としたフロアプレート(約5,000平米)を展開しており、柔軟なユニットカットにスマートビル管理システムを導入しています。アメリカのグリーンビルカウンシルのLEED、フィリピングリーンビルカウンシルのBERDEに登録済みです。アルタランドは、LEED、BERDE、EDGEのトリプル認証を受けたアーサランド・センチュリー・パシフィックタワーも手掛けています。


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グリーンビル認証は、グリーンビルの基準にのっとった建物であることをエンドユーザーに示す看板のような存在です。フィリピンで広く認知されているグリーンビル認証は、LEED、BERDE、WELLそしてEDGE(Excellence in Design and Greater Efficiencies)です。


▼フィリピンのグリーンオフィスと認証状況(出所:Colliersを元にPropertyAccess作成)

(出所:Colliers
(画像:Image by Pexels from Pixabay )